複雑・ファジー小説

Re: 異世界武具屋・オリキャラ募集,更新,千記念企画募集 ( No.150 )
日時: 2013/04/24 19:04
名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)

みなさんは骨刀っというものをご存知あろうか?
この世界には様々な魔物がいる。
その中にはもちろん固くて長い加工に向いている骨もあるわけで、
今回葉擦さんに依頼したのはランク4級の魔物、スカルリベンジャーの刃の部分の骨である。

スカルリベンジャー:魔物、怨霊類
死体の後片付けをちゃんと行われなかった魔物たちの魂の集合体だと言われている。その巨大な龍の骨は肉がなくなったあとでも驚異である。自由自在に骨を伸ばして攻撃する。倒し方は骨を使えなくすること。それか堅牢で大量に檻のようになっているアバラ骨の中にあると言われる核を刺すこと。

武器は相性のいい俺のマジックハンマーを持ってってもらった。
片手で持ち上げられかけたときは泣きそうになった。
そしてウィル君たちにはどこかの研究者によって生み出されて魔物となってしまった哀れな虫と獣の混合獣、ライオビートルの皮の調達を頼んだ。

ライオビートル:魔物?、混合獣類
とある錬金術師に生み出されたと言われる魔物。どこかで繁殖していて毎年被害が出ている。繁殖力と戦闘能力が高く迂闊に手を出せない。火が苦手。角を狙わず羽を狙おう。

ウィル君たちぐんぐん実力を上げているらしく俺と話した時にはランク8に昇格していた。速すぎるが今回はそこには触れておかないようにしよう。あと探索中に上質なアイテムを手に入れたら売って欲しいとせがんでおいた。ちょっと引いてた。なんでも少しびっくりしたらしい、俺がこんなことをするなんてって。
とにかく、今俺ができるのは葉擦さん達の無事を祈ることしかできないわけである。

「とってきたよガンジくーん」

……早いんだけど、早すぎんだけど!?
いやなになになに!?いくらなんでも早すぎんだろ!?
けどちゃんと遠くからでも見えるよ、街の門の方からでっかい骨持っている人がしかと見えます。
ま、まあいいだろう、葉擦さんの異常性は今に始まったことではないんだ、気にしないで行こうもう。骨刀は金属類より時間がかかるため昼より作業にかかる。

裏口から骨を作業場へと入れまず、水洗いをする。散々生物を食い散らかしてきた(食っても意味はないんだけど)奴の歯なので血がベッタリと付いている。それを丁寧に削ぎ落としていく。
それが終わったら次は骨をちょうどいい長さに切断する。
かなり長かったので結構余った。
これならもう一本ほど作れそうである、というか硬いので切断するのが大変であった。

次はヤスリでザラザラの部分を削っていく、歯の方はもったいないが特攻タイプの葉擦さんでは抜きにくくなる歯は邪魔でしかないため削らせてもらう。ここまででもかなりの時間がかかっているがいちいち書いていてはしょうがないので省略だ。

お次は歯ではなく刃を作っていく、まあここは金属よりやりづらいだけで特筆する点はない。
これにて二本(一本は予備)の長さ7.80cm程の刀身が完成。

次の日の朝、ちょうどウィル君達帰還。

「あとで武器サービスしておいてよ」

というウィル君は疲れ気味にそう言い残しさっていた。
ちなみにアティさんは最初は少し戦いにくそうにしていたが途中でスイッチが入り鬼神の如く戦っていたらしい。多分魔物じゃなくてアティさんの相手で疲れたのではないのだろうかと推測する。

客を捌きながら作業を進めるなんて最初は無理かと思ったがよくよく考えてみたらいつものことだったのであまり関係なかった。
皮を曲げて縫い合わせていく、皮製品の扱いはそこそこしていたので大変だったが成功した。このライオビートルの皮は混合したせいか皮がざらついていて滑り止めの効力を発揮してくれるのである。

そうして無駄に皮が多かったためもう一本の方も持ち手をつけて完成。
名づけて混合双剣・スカルビートルソード。
うん、多分定着しないな。ネーミングセンスの欠片もない。
あとまた勢いで双剣になってしまった。
まあカットラスらしいしそこはよしとする。さてと、余った皮はウィル君たちに返却して使った分のお金を払わなくてはと皮が詰まっていた袋を持ち上げて俺は少し疑問の声を上げた。

「……む?」