複雑・ファジー小説
- Re: 異世界武具屋・オリキャラ募集,更新,千記念企画募集 ( No.153 )
- 日時: 2013/04/25 20:40
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
---約束の三日目
現在、俺を含めた4人は街の外にある草原にへと来ていた。
俺の隣には相変わらず緑色の軍服を着て両腰にスカルビートルソード(骸骨一角虫剣とでも変更しようか)のその黒い刀身は朝日の日を浴び輝いている。
向かい側には相変わらずメイド服のイルミスさんと首元までコートをしているハイドロン君、イルミスさんは無表情でいるがハイドロン君は不敵に笑っている。
「それが神剣・バルムンクに敵う武器かい?」
「いえハイドロン様、正しくはバミュラートです」
そんな名だったかな?と笑うハイドロン君に若干イルミスさんも頬が動いた気がした。俺は一拍おいて慣れない笑みを浮かべながら言い放つ。
「ああ、あんたらのが神の一品というなら俺は奇跡の一品と呼ぼう」
「奇跡?」
「分からんだ「そんなことより早く始めない?葉擦さんまちくたびれちゃった」……」
「……」
気が削がれたところでイルミスさんはハイドロン君の前に立つ。
それに応じるかのようにニッと笑みを浮かべた葉擦さんもまた俺の前に立つ。俺たちはため息をついたあと、戦闘に巻き込まれないために下がる。
「久々に楽しい戦いができそうだ、葉擦さん...だったかな?」
「いいから始めようよ、そうだねいのから3秒後に始めよう」
3
「次は獲物が壊れないといいな」
2
「大丈夫だよ」
「何故?」
1
「今日は勝つ気分だから」
「ッ!面白い!」
0、その瞬間突風が生じる。
俺はその場に踏みとどまるがハイドロン君が少し浮く。
目の前にはいくつもの金属音が響き合っている。
動きは止まらずに二人の姿はブレ、とらえることができない。
飛ばされかけたハイドロン君がこちらにと歩いてきて話しかけてくる。
「いやぁ、びっくりしたよ。すごいね彼女、まさかイルミスと同等に戦えるなんてね」
「……なんであいつはお前に?」
「ボクだって驚いたさ、最初こそ冗談のつもりであったからね。そしたら受けてくれたんだよ、理由は知らないさ。」
「そうか」
「それよりこれからいい関係になるんだ、種バラシをしておこう」
「種?」
「あの剣、光っているだろ?」
「ああ」
「あれは魔力が流れると剣の傷や疲労を直す光のマナさ」
光、それは癒しの力。天空に住む天使達が使う魔力と聞いたことがあるがまさかそんなマナが存在するとは驚いた。
だからあれほどに打ち合っても剣の傷はなかったというわけか。
…待てよ?ということはあの時俺の条件をきいたのは単に剣がハンマーの攻撃を受けて疲弊していたということなのだろうか。
さて、ならばこちらもそれに応じて説明してやるとしよう。
「見えるかハイドロンさん」
「何がだい?」
「光とは別に何かが出ていないか?」
「むっ……闇、か?なにか黒くてモヤモヤしているのが見えるね」
「その通り、上質な闇のマナさ」
「何だと!?」
闇のマナ、地獄に住む鬼共が使うと言われている魔力。
見つけたのは昨日の皮が入っていた袋の中、ウィル君たちに聞いてみたところ冒険者が安く売ってくれたらしい。
それを聞いた俺はすぐさまに加工し直して闇のマナを取り付けた。
しかも2個あったんだぜ?正に"奇跡"だろ?
能力は、
「当たったものの力を奪い己を癒す」
双剣による連続攻撃に闇のマナの状態攻撃、いくら光のマナという力があるといえども結果は目に見えていた。
「クッ!?」
「楽しかったよ、じゃあね♪」
葉擦さんが高く飛び上がったかと思うと一瞬、加速した葉擦さんの一撃がイルミスさんに叩き込まれた。
~後日談~
ハイドロン君:牢獄へゴー、といってもあくまで不法入国ということなのでそこまでは拘留されないだろうが反省の色が見える。
イルミスさん:同じく牢獄、ただしハイドロン君よりは拘留期間が短い。掴まる時「私も楽しかったよ」と言い残して連れて行かれた。
葉擦さん:今回の一件により上層部の仕返しとして隊長から降格、ただしそのごその上層部を全員ひっとらえたのでそのうちまた隊長に復帰するだろう。ちなみに新隊長は隊の中で実力が伸びているラウロくんだそうだ。
まあ、今回も言うことはひとつ、
物/喧嘩を売る場所は考えようハイドロン君
---第九話「売る場所は考えよう」完