複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者・オリキャラ募集(異世界武具屋) ( No.198 )
- 日時: 2013/05/13 17:30
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
- 参照: https://twitter.com/
~どこかの牢獄~
「貴様!殺されたいのか!?」
「殺されたくはない、だが作りたくない」
現在、やけに湿気の高い所に閉じ込められて武器を作ることを強要されているガンジです。まあ、今の会話のとおり作るのは拒んでいるのだが。
何故か?こんな奴らに渡す武器なんて作りたくないからだ。それにこいつらに武器なんて作ったら"彼"に面目ない。
周りを見てみたがこの牢獄には俺以外は閉じ込められていないようだ。
しかし、俺が鳥型の魔物に連れ去られるとき別の人も連れられていたような気がしたのだが。なぜこうなってしまったのだろうか、確かあれはいつもと変わりないような日で...
「店主、この武器を頂こうか」
「……毎度」
その日もいつものように接客をしていた。
魔の国の宣言によって少し客が増えたなぁなんてボヤキは誰にも聞こえずにただただ人は過ぎていった。ゼロたちは特別な仕事が入ったと行って出かけており異端な訪問者もいなくて極めて平和な日であった。
それが突如、地獄へと変わった。
始まりは誰だったろうか、店の外の方で声が聞こえた
「...んだよ、なんだってんだよあれ!!」
その時と同じように悲鳴が聞こえた。そこまではまだ俺も「またなにか起こったのか?」とほんの少しだけ気楽な気持ちがあった。だからこそ少し確認するために外にと出た。
「逃げろー!」 「なんで魔物が!?」 「やめてくれ!俺は美味しくない」 「軍は何をしている!?」 「早く逃げるんだ君たち!」 「とっとと逃げろてめぇら!」 「キャー!?」 「こんな奴ら俺の剣で...」
阿鼻叫喚、あるものは武器をとり、あるものは避難させるため舵をとり、あるものはただただ騒いでいた。
その時俺は初めて事態の重さを直感した。空を見れば幾千の魔物や黒い鎧に包んだ兵士たちがこの街を、国を侵略していのだ。そんな状況を目の当たりにして俺がとった行動は、
店を、彼が帰る場所を守ることだけだった。
すぐさまマジックハンマーを手に取り店に襲いかかろうとする魔物たちに応戦したり目の前で襲われかかっている人を助けすぐに逃げることを促した。少し時間が経つと上空や周りで爆発音や鈍い音がよく聞こえるようになった。それでも俺はそこで鎚をふるい続けた。
元々戦い方なんと知らない鍛冶屋だ、ただ力任せに振るっていただけであった。だからこそ時期に落とされるということくらい分からないほど俺も馬鹿ではなかった。上空にさらに大きな魔物が現れた時、俺は腰につけておいた金鎚を店の中へと投げ捨て鍵をすべて閉め自分が閉め出されたようにして満足した後、マジックハンマーを振りかぶった...
そう、ここで記憶が一瞬消えていつの間にか俺は魔物にくわえられて連れ去られていた。あれからずっと俺はここに閉じ込められている。俺は脱走や反逆をすることはしなかったがこれだけは譲れずにいた。
「ったく、早めにこっちについておいたほうがいいぜ?お前がいた国も今やただの廃墟同然だからな。もうすぐ世界は魔王様のものとなる」
諭すかのような声で顔も見えないように兜を深々とかぶった兵士がこちらに話しかけたくる。俺はただ悔しくてこう答えた。
「そいつは無理だな、あの国はそう簡単に滅びる国じゃない」
そんな俺の返しに兵士は笑い声を返すのみであった。