複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕 ( No.212 )
- 日時: 2013/06/23 15:07
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
- 参照: https//
ギルドが動き出した、それはつまり魔の国の敗戦色濃厚ということを指す言葉であった。それほどまでにギルドは強い。世界中のありとあらゆる種族や技術が集まっているのだ、負けるはずがない。ランク4だけで50人、ランク5になると200人もいる。もっともランク6からはそんな数字ですまないほどいるのだが。
それが今、『ギルドのものが不当な攻撃を受けた』ということを大義名分にしてついに動き出した。
---夜明けはまだ始まったばかりだ
あるお城に四人の魔族ともう一人、とても大きい布で誰だかわからないようにしているのが一人いた。四人は膝まづき、布の方にカラダを向けている。少し経ったあと、布の方から重い声が聞こえてきた。
『何があった』
それに反応したのは燃える炎のようなロングの髪を持っていた魔族、名をフレイノという。
「先程、オーガ族長ステンダムが冒険者ギルドに所属している冒険者に攻撃を始めました。」
その言葉にピクッと、布が揺れたような気がした。
「既にその情報は冒険者ギルド本部にも届いており先程行軍が始まりました、ステンダムは死体になっていたのを周りの魔物に回収させました、恐らく返り討ちにされたのかと」
その言葉を聴き終える前に布が吹き飛んだ...ように思える程の突風が四人を襲った。魔力の漏れである。それだけで風格漂う四人を吹き飛ばしかける魔力、そのものの名は
「何でこうなったんだろ」
魔王、ジーガンという魔神族の青年であった。
そもそも、このジーガンは宣戦布告なんてしていない。勝手に血が盛り上がった部下が勝手にしたことなのだ。それを訂正する間もなく部下が勝手に交戦を始めてしまった。実質、魔王の言うことを聞いているのはこの四人(とその眷属)のみであるというとても王の名が似つかわしくないものであった。最初はそうだ、いろんな国で迫害されている魔族たちを集めて楽園を作ろうという青年の夢のある発送だった。
そして青年は希少種族の魔神族、その魔力でひれ伏すものが大勢いてあっという間に国が出来てしまい名前も考えられなくて簡素な魔ノ国(仮)としていたはずなのだ。魔王がうち出した制作はこのようなものであった。
・戦争はしない(こちらからは)
・農耕国家を目指しましょう
・何事もまずは話し合い
・魔族どうしで喧嘩しない
これがどう解釈されたのか
・戦争はしない=やられたら徹底的にやる
・農耕国家を目指しましょう=土地や資源が大量にいるってこと?
・何事もまず話し合い=話したらいい
・魔族どうしで喧嘩しない=人間は別にいい
こんな風になってしまったのだ。はぁ、とジーガンはため息をついた後、これからどうするかを考える。
おそらく、捕まったら全員死刑になってしまうだろう。多分実情を訴えても魔王だから責任を取らされるだろう、かといって自分だけ投降したら余計に部下たちに火がついてしまう、いまごろ人間と仲良くしましょう何ぞ言っても聞かないだろう、よ~く人を襲わないように言いつけておいたのに勝手に人を食べていたステンダムのような魔物が多すぎるのだ。その結果がこの1月であった。
「ゅいや、やることはずっと決まってたんだ。それから目を背けていただけだ。)四人とも、覚悟を決めてくれ」
「おお!」 「では!」 「...やっぱりか」 「それしかないな」
「これより魔ノ国で大粛清を行う。今まで命令を破ったものを全員.......殺すんだ」
---夜更けはまだ始まったばかり