複雑・ファジー小説

Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.219 )
日時: 2013/06/25 20:36
名前: ベテルギウス (ID: z.5b3qzX)

「異世界盗賊前編」

盗賊国家マロード城内

「た、大変大変ですぅ〜!」

獣人盗賊班班長の可愛らしい猫の獣人「クレア・ハーピオン」はソウ叫びながらバタバタと走っていた。
「何だ!うるせぇぞ今いいとこなんだ邪魔すんな!」

「気が散る、そうだ。」

クレアを怒鳴り散らしたのは魚人盗賊班班長の厳つい鯱の魚人「オークオス」、そして意味のない倒置法で喋っていた、鷲の鳥人は鳥人盗賊班班長「狭間無翼(はざまむよく)」。どうやらボードゲームをして遊んでいたよう。

「こらこらどうした。なにか大きな声があったと思ったらどうした、クレア?」

落ち着いた口調でしゃべるのは虫人盗賊班班長のカマキリの虫人「古花斬丸(こはなざんまる)」。手と一体化した刀が特徴的な男である。
本来階級には割りかし厳しいこの盗賊の世界ではクレアの行動はいささか無礼なものだった。しかしそんなことをすっ飛ばしてでもクレアには報告しなければならないことがあった。

「み、皆さん・・・!落ち着い・・・て!聞いてください・・・!」

「だから何なんだ?早く教えてくれ。」

「そうだぞ!早くボードゲームの続きがして−だからよ!」

「言え、さっさと。」

クレアの問いに皆が催促した。そしてクレアは重苦しく答えた。

「に、人間盗賊班班長「戦木奏」、そして班長補佐「深闇黄泉」が・・・」

「「「・・・・・・が?」」」

「クルトン軍に・・・捕まりました!!」

「「「・・・!!」」」
一瞬沈黙に包まれた。しかしすぐに叫びに変わった。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!!」

「かよマジ!!?」


「それは真か、クレア?!!」
三人は驚きを全く隠してはいなかった。実際はそうである。人間でありながら天性の魔法使いだった戦木と深闇が捕まるということはいささか信じられるものではなかった。

「はい・・・。おそらくは間違いありません・・・十中八九間違いなく・・・。」

「だったら助けに行くぞ!何されるかわかったもんじゃねぇ!!」

「あぁ!マズイからな、マロードのことについて、されたら、拷問!!」

「獣班、魚班、鳥班、虫班の盗賊をできるだけ集めろ!!それから」



「それからの先は言わなくていいし盗賊たちを集めなくてもいいぞ、斬丸よ・・・。」

斬丸達の体は固まった、比喩ではなく本当に。

「わざわざ主らが捕まった者どものために動く必要はない。次のターゲットが決まるまで休息でもそいていろ。」
後ろにいたのだ、誰よりも冷酷で、誰よりも合理的で、誰よりも神に近い、自分たちの頭目が。

「「「「ヴェ、ヴェルガー・ディアス様・・・!」」」」


ベテルギウスでーす!僕も便乗して書いてみました!!後編はまたそのうち書きたいと思います!!