複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.220 )
- 日時: 2013/06/26 19:38
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
- 参照: https//ペテルギウス様サンクスですぅぅぅ
たかが魔神、されど魔神。四肢を切り落とされても持ち前の馬鹿みたいに多い魔力を使って再生させる。これも魔神という種族専用の魔法、修正魔術。だが痛いことは痛いし急なことに頭がついていけていない。
ウォンディアは優秀な部下で仲間だった。そんな彼女が何故?謀反?なぜ今?やはり自分が魔王というのは不釣合ということなのだろうか?ジーガンは混乱する、どんなことよりも混乱することといえば肉親に近いものの裏切りだ。
「なんで...?」
涙混じりの声、理解しきれていないが自分が裏切れたということだけは理解していた。現在ジーガンは装備は簡単な片手剣しかない、銀の片手剣が一本、剣の心得はない。ならば全力の魔法で叩き潰す、ここで死ぬわけには行かないと教えてくれたのはウォンディアだ、だからこそそれに応える。魔神の属性は...闇
「闇魔術・ダークボール!」
詠唱を省略することによって威力は多少減るが魔力でその分を埋めれば問題がない。だからこそ簡単な魔術名を唱えて闇の魔力の塊を発生させる。闇魔術の特徴は吸い取る、抉りとる。だからこそ一日でジーガンは大量の命を奪えた。それほどに強力な魔法なのだ、だがそれはまずウォンディアが出した水の壁に激突した。だがそれは簡単に破れてそのままウォンディアの体を...えぐりとることはなかった。部屋に入ってきた誰かがウォンディアの体を掴んで回避させたのだ。
素早い、魔神であるジーガンは感じ取った。良質な"風の魔力"を、そしてその周りにいた人物たちを見てジーガンは自分の眼を疑う、
「どういうことだよ...、フレイノ!ウォンディア!シルフィウにラッガ!お前ら全員...裏切ったのか?!」
「ええ(そう/ああ)」
いくつもの声がジーガンに響いて、ジーガンは混乱を通りこして思考停止へとたどり着いた。もう夢は誰にも崩させない、そのために、ジーガンは叫んだ
「闇魔術・ダークネスホール!!」
その叫びとともに部屋の床が闇の塊に変わり、周りをすべてえぐりとる。
武具屋、ガンジは覚悟を決めようとしていた。目の前にはよそ見をしながら休息をとっている魔族がいる。他は別のところに避難するらしく現在ガンジと魔族のみになっていた。手には魔力を纏わせた石、これをぶつければ気絶するだろう、いやもしかしたら死んでしまうかもしれない。だが...これ以上迷っていても仕方がない、こうするしか逃げる道はない。現に人がいたはずの砦が燃やされている。このまま捕虜としていても自分も殺されてしまう、だからこそ逃げるのだ。一度呼吸を整え、おおきく振りかぶったその手は
「何をしているのですか?」
冷徹な声に止まり瞬間、意識を失った。
最後に見えたのは...どこかで見たことがあるような二人組だった。