複雑・ファジー小説

Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.222 )
日時: 2013/07/08 11:51
名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
参照: https//

---第3話「亀の襲来、そして現れる者たち」

結局、ステンダムとか言うオーガがあらわれて以来雄哉達の出番はなかった。それもそうだ、なんせ勇者よりも強い人たちが動けるようになったのだから勇者はおいてけぼりを喰らうわけで、毎日のように聞こえる歓声ははもはや日常茶飯事となっていた。あれほど寂れていたクルトンもギルドが動き出したことにより安全が確立されみるみる元の形を取り戻していった。雄哉達は少しでも手伝おうとがれきの運搬等を手伝っていた。

無論、修行はサボらず続けていた。ステンダムのようなことが起きたら対処できるように常に休まずつ続けている。その中でも雄哉が一番特訓をしていた、おかげで何度もラウロさんに叱られていた。

「そういえば」

と、雄哉は説教が終わったあとにラウロへと話題を振った。

「何ですか?」

説教のあとのせいかラウロは少し口調が上がっていて琴線に触れないように話す。

「いやこの間言っていた砦の襲撃事件って」

砦の襲撃事件とはギルドが動き始めたその日、クルトンと同盟を結んでいた国?マロードという所が仕掛けた事件である。マロードという国は毎年大量の盗賊を排出している場所だといわれ国王のヴェルガー・ディアスの気質さえもが盗賊という恐ろしい国である。だがしかしクルトンと同じく襲撃を受け弱っていたためこれ以上犯罪をしないこと、あくまで魔ノ国にのみの軍事同盟であることを理由に同盟を結んだのである。
しかし、やはり駄目であった。ギルドが動き出し情勢が大きく変わるとみたマロードは急に軍を派遣し砦を襲撃、その軍の中の馬鹿が避難が済んでいないうちに火をつけてしまい大量の死傷者を出してしまった事件である。
これにクルトンはすぐに同盟を破棄、何の説明もなかったとして多額の賠償金を請求したが送られてきたのは火をつけたものの首一つであった。

「はい、大分焼けてしまっていて身元の判別は付きにくかったですが奇跡的にクルトンの人は死んでいませんでした。まぁ火傷を負った人などはいましたが」

喜びと悲しみが混ざり合った声でラウロは話した。そんな時、ラウロの後ろに一瞬何か恐ろしいものが見えたかと思うとラウロさんは背後を突かれた形で吹っ飛ばされ雄哉へと激突した。目眩をしながら立ち上がった二人は目の前を見るとそこには緑色の軍服を着た軍人が一人、雄哉は確か一度見かけたことがある。いきなり召喚された日に空から降ってきた人である。そんな人物を前にラウロは頭を抑えながら口を開く、

「...何をしているんですか葉擦さん。怪我はどうしたんですか」

「いや~ようやく医者からokがててね、早速今日から第一隊として活動するからよろしくラウロ君!」

名を榊葉擦、元第一隊隊長でありクルトン襲撃の時に大怪我を負った人物であるとラウロは雄哉に説明した。そしてその葉擦の後ろからヌットもう一人、銀髪の女の人?かどうかは分からないが人が現れて葉擦の頭を右手で鷲掴みにした。

「・・・・・・フェアラートさ~ん?まだ病み上がりですよ葉擦さんは」

「そうだなぁ...確かに医者を脅してokをもらった者だ、だがな、okが出ているということは既に大丈夫ということであるため...今から鍛え直してくれる葉擦!」

アーレーなどと気を抜けた声を出しながら葉擦はそのままフェアラートという人物に連れて行かれてその後に聞こえた悲鳴は誰のものだったのかは知らない、ちなみに言うが中瑠という人の悲鳴だったらしい。

その後少しラウロと談笑していた雄哉であった。