複雑・ファジー小説

Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.225 )
日時: 2013/07/27 10:44
名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
参照: https//

葉擦達が亀と戦う場所を北として、東側では何十人ものギルド団員達による龍との戦いが起こっていた。
この龍、周りが晴天だというのにこの龍の周りの身は黒く厚い雲が漂っていて吠えればそこから雷が降ってくるのだ。正しく言えば嵐が起きていて雨も降り続き戦士たちの体力を削っていく。そしてただでさえ動きが鈍るというのに龍のその長い体から繰り出される変幻自在の攻撃はスピードが落ちない、蹂躙である。

戦士たちが知るところではないがこの龍の名は「応龍」といわれている。
そんなところに指揮役として駆けつけたのは長い刀が入った鞘を腰につけて雨の中だというのに着物を着ているランク4神宮凶、そして片メガネをちょくちょく拭いているキラルド。クルトンでも少ない変人衣装コンビである。

「ったく、なんだってクルトンにばっかこんなのが来るのか」

「理由は多分あるだろうが...そんな事より今は奴だな」

そんな時、偶々雷の一つが凶達へと降り注いできた。それをみて一旦回避の体制をとりかけたキラルドであったがそれは横を見たあと動きを収めた。いくつもの雷を凶が全て切り伏せたのだ。その紅く光る怪しげな刀身を持つ刀、紅ノ銀桜を使い。見ると刀身にまだ電気が残っているようで少しばかりかバチバチと音を立てている。

「相変わらず規格外の剣だなそれは」

「じゃなきゃ困る、コイツ以外何も持てねぇんだからよ」

その刀は神の一品、呪いの武器、持てば絶大な力をもたらすが他の武器が持てないという呪いがある(一応持てるが尋常ではない痛みが走る)。そして斬れば斬るほど血を吸い成長していくらしい。たまに研いだり修復してやらないといけないという点も持つ。そんな武器を持ち、雷を全て斬り落とせるほどのスペックを持ちながら何故ランク4か、理由は本人が生来のめんどくさがり屋だというところだろう。

「だがお前でもあいつは難しいだろ」

「攻撃自体は難しくないが...手数が足りんな」

いくら凄腕であろうとも腕は二本、次第に厳しくなる。そう言い終わるとキラルドは執事服の中から双剣をとりだして構えた。

「「死ぬな」」

そう言うとふたりは嵐の中へと飛び込んでいった。