複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.229 )
- 日時: 2013/07/27 20:04
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
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西では亀ほどではないが大きな白い虎がいた。名を白虎というらしい。白虎の周りは他の魔物達のような災害は何ひとつなかった。故に戦士達も他よりたくさんいる。白虎は動かない、いや動く瞬間が見えないというふうのが正しい。何故なら姿がぶれたかと思えば戦士たちが爆音と共に宙へと吹っ飛ばされ白虎が少し前進している。ゆっくり腕を振ったかと思えば連続で目にも止まらぬ速さで振り下ろしていたらしく地面が割れ爪の跡が残る。
防御が霊亀、攻撃が応龍、特殊な力の朱雀、素早い白虎。そんな風に能力は分かれていたのだ。
そんな風に進んでいた白虎はある気を感じて動きを止めた。それが良質な"餌"という点なのかそれとも"敵"として認識できる相手が現れたのは定かではないが言えることがただひとつ、白虎は笑っていた。
「生意気な猫だね」
男勝りな少女、戦木奏がそう言った。この騒ぎに乗じて脱獄したのは彼女のみではない。右手にはピッと伸びた指揮棒が一本ある。
「とっとと倒して感謝の証として牢獄から正式に出してもらいやしょうぜア姉貴」
相変わらず人をおちょくるようにしゃべるのは深闇黄泉、どうやらその性根は牢屋でなおされなかったらしい。その腰には己の特殊な魔法で爆弾にするための物質としてそのへんで拾った金属の塊が入っているがその程度で動きが鈍るほどやわではないらしい。
「この国を壊させはしません、今度こそ!」
戦うのだというのに肌が見えるほど薄い衣装を着ている雪咲空、その手には曲刀が二本ある。そして周りから見て分かるほど体に魔力を纏っているのが見える。どうやら魔力のコントロールが得意らしい。
「随分余裕そうだな、猫」
ランク5、銀色のナイフを左手に坂手持ちで構えている。ケトルーシュカ・ヴァルゼルガ。少しばかり耳がぴくぴくと動いていて怒りを表している。
「まぁまぁ落ち着きなさいケトルーシュカ」
そんなヴァルゼルガに優しく語りかけているランク5、ヴェイン。その透き通るような青い目は白虎へと向けられている。
「んじゃぁ...行くぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
戦木の声を皮切りに五人は魔力を纏ったり身体強化魔法を行使して白虎へと突撃していった。