複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.231 )
- 日時: 2013/07/31 14:17
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
榊葉擦、という現在第一隊隊員である女性兵がいる。
彼女は前の戦いで大怪我をし復活は不可能とまで言われた。
そんな彼女は今、両手に剣を持ち戦っている。
クロというミステリアスな女性がいた。彼女は様々な情報を取り扱っているためか前線で戦うということはまずない、そんな彼女が今己の体を傷つけながら必死に戦っている。
レイという元気そうな少女がいた、彼女の武器はスナイプ型の銃。本来前線で戦うべきではないはずの彼女もまた狙いを定めながら走っている。止まっている暇はなく何度も転んだが走り続ける。
それでも亀は止まらない、彼女たちの努力をすべて無駄にするかのごとく堅牢なその皮膚は最大の攻撃としても驚異である。そして今、無慈悲に足は彼女達を...潰した。
幸いにも息はあった、もしただ真っ平らな草原であったのなら見事に潰れていただろうがなんとか助かった。だが幸運は続かなかった。あくまで一命を取り留めただけでありもしこの世界に魔力という概念がなかったのなら今すぐにでも死んでしまう状態である。結局無理だっのだ、硬い相手を無理やり切り込むタイプの葉擦、対人戦や情報戦でその真価を発揮するクロ、同じく対人戦派のレイ、相性が悪かった。ただゴリ押しでどうにかなるレベルではなかった。亀はそんな3人を気にせず進み始めた。前足のあとは後ろ足、来るのは必然だった。目もぼやけてきて口から出るのは声にならないうめき、
そんな時エンジン音がかすかに聞こえた。
「・・・・・・・・・?」
その後、亀の様子がおかしいのに気がついた。
「(鳴いている...?)」
次の瞬間、亀の体が崩れ始めて落ちてきたことが解った。だがよけられない、指一本と動かせない葉擦達は死を覚悟した。
だがそれはその決意のあとに砕かれた、ものすごい勢いで引っ張られたかと思えば三人は一瞬の浮遊感の後に地面を転がった。爆発音もした、一つはおそらく亀のもの、もう一つは機械が擦れながら崩れていく音。そして誰かも分からない声が近くで聞こえた。
「・・・・・・・・・大丈夫か」
男の声であった。低い、懐かしい声であった。3人の中では軽かったクロはなんとか声をひねり出してこういった。
「随分...遅かったじゃないガンジ」
武具屋『武具屋』店長ガンジの帰還であった。