複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.242 )
- 日時: 2013/08/17 11:59
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
白虎との戦い方は周りに比べれば楽であろうフィールドであるために少しばかりか余裕があるように見える。皮膚も亀のように固くはないし長い身体を持つ龍から繰り出されるほどの手数もない、鳥の様に攻撃からすぐさま復活するというわけでもなかった。
だが、一筋縄で行く相手ではない。
硬くない皮膚は関節の駆動を楽にする、
小さい体は動きを敏捷にする、
攻撃を当てないために進化した筋力で攻撃は当たらない、
3つともが白虎の動きを素早くするためにあるかのような状況であり事実攻撃は戦闘が始まって2.3擊程しか入れられていない。それに比べて戦場に立つ者はごくわずかにまで減らされていた。疲れ果てたものは幸運だ、中には攻撃の動作のために吹き飛ばされたものや仲間の攻撃によって怪我した者もいた。白虎はここまで減らせば邪魔はなく最初の方に興味を持った人間もいないことだしと思ったのか周りの人間たちを気にすることなく前足を伸ばして目的地につこうとして...爆発に飲み込まれた。普段だったらすこし下がる程度でダメージは少ないはずだったのだが今回は足を通じて全体に痛みが走り鳴き声を上げる。
「見たか糞猫!」
「爆発の振動さえも操るのだ!」
前足を下ろした先にいたのは戦木と深闇、どうやら途中から穴を掘って隠れていたらしい。深闇の物質を爆弾に変える爆発魔法による爆発の衝撃…つまりは空気を伝わる波を戦木の魔法で操り白虎の体全体に伝えたようだ。2人共爆発の破片を浴びないように倒れている戦士たちから奪ったらしい鎧を来ているところを見るとやはり盗賊である。
そうして白虎がよろけた瞬間にまたもや白虎の横から人間が1人白虎の前に現れた。そして次の瞬間白虎の首元には大量の刃物が刺さっている。そしてそこからは赤い血が勢いよく出ているあたり頚動脈に刺さったのがあるらしい。
「っよし!・・・・・・・・・やりましたわね」
少し男言葉が出たのを自覚して少し経ったあと言い直したのはヴェイン、ここでは語らないがどうやら隠し事があるようで少し挙動がおかしい。
爆発の衝撃が伝わりきったのか白虎は慌てて後退して吠える。だが今のチャンスを逃す戦士たちではない。気づけば白虎の真正面から2人が迫ってきていた。1人は4本足を器用に使い走っている。その名は獣人のハーフ、ケトルーシュカ。ケトルーシュカは一定の距離まで詰め寄りその背中に重みを感じた瞬間空へと飛んだ。その背中には魔力で体が一回り大きく見えるほどに纏っている雪咲、そし雪咲はケトルーシュカが空へ飛びある程度まで上がった瞬間ケトルーシュカを踏み台にして更に飛んだ。勿論白虎もそれに応戦する。だが腕を大きく振り上げようとした瞬間、違和感を感じた。白虎の体が動かないのだ。この時、白虎は知る由もないが先ほどの首筋にナイフが数本刺さった時に毒が入っていたのだ。頚動脈に入ったおかげで毒はすぐに回った。だが白虎ほどになれば止められてもほんの一瞬、その一瞬が欲しかったのだ。こうなったらと白虎は首で応戦する。雪咲が飛び込んでくる場所を先読みして自慢の牙でその命を摘み取ろうとした。
その瞬間、白虎の目の端に耳を生やした獣人が突っ込んできていることに気がついた白虎は反射的にそちらを気にしてしまった。
そしてそのまま白虎の顔は魔力をこれでもかとまとった雪咲の一撃によって切り裂かれその命を落とした。
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あとがきコーナー
補足しておきたいのですが最後に出てきた獣人は見境リア、詐欺師でした。