複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.243 )
- 日時: 2013/08/22 19:26
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
「なんて………事なんだ」
そう漏らしたのはクーデターを起こした魔族の1人フレイノ。その顔には気味悪がられてもしょうがないほどの汗が滴っては炎の魔人ゆえか蒸発していく。そんな状態の人は彼だけではなかった。
「計画は、完璧...だった」
虚空を見つめて手を伸ばしているのはいつも知的に振舞っていた水の魔人ウォンディア、傍から見てすぐに状況を現実として飲み込めていないことが伺える。
「誰だよ、あの国の戦力なんてたいしたことないとか言った奴…」
何もかも諦めかのような声を出し地面に体を付けているのは風の魔人シルフィ、その幼児体型と持ち前の無邪気さの仮面も既に割れている。
「………だから俺はやめろって」
唯一一番憔悴していないように見える土の魔人ラッガは自傷気味に口にしたその言葉を聞いた他三人は声を荒げた。
「何言ってるんだ!お前は戦闘モードの霊亀を倒せる者はいないとか言ってたからわざわざ魔力使って隠したりしたんだろう?!」
「そうですよ!そもそもあなたが一番のり気だったではないですか!」
「そーそー、下等種は踏み潰されるだけだなんてカッコつけたのセリフはいて結局二番目に早く殺されたじゃないか!」
4人は言い争う、互いに互いの責任を押し付け合うその姿は醜いとしか言えない。そんな四人が言い争う部屋の扉を勢いよく開けて一人の魔族が入ってきた。その行動を咎めようとしたラッガは魔族の顔を見た瞬間青ざめる。
「どうしたラッガ、そんなヘビが大ガエルを見たような顔し…」
「………やぁ、みんな」
そこにいたのは魔王ジーガン、四人が姑息な手を使いこの世から消したはずの人物であった。
「じ、ジーガン!?お前は僕たちが完全に殺したはず………」
「魔神をなめるな魔人ども」
魔王の風格をまとうようになった青年ジーガンは体全体に魔力を纏いながら怒気を発した。