複雑・ファジー小説
- Re: 第二章・異世界勇者〔異世界武具屋〕新企画 ( No.253 )
- 日時: 2013/08/25 10:41
- 名前: ハリー西井 (ID: z9uqPrLL)
最強の冒険者が堕天士に堕ちたわけ
イルミニティアルス・ハールウェドナー。それは私、イルミスの本名である。これから語る物語は今の私の主、ハイドロン様と出会う少し前の話である。
「イルミニティアルス、ただ今帰還しました。依頼通り、町外れの村を襲った飛竜の撃退に成功しました」
「おお、そうか!良くやった、イルミス!!」
私の報告に対して褒めてくれたのはここのギルド長セントリアさんだった。ここで余談として話しておくが私は他人を喜ばせるのが大好きだ。後、人をからかうのも好きだ。
「お褒めに預かり光栄で御座います、では」
「おいおい、もう行くのか?もう少し話でも・・・。」
「いえ、すいませんでも・・・少しやな予感がするので・・・」
そういうとセントリアさんも理解したらしく、私を帰してくれた。そして裏口からでた次の瞬間
「イルミー—ス!!お兄ちゃんが迎えに・・・て、いねぇ!!セントリアさん!!イルミスはどこですか?!一体どこに?!」
「ああ、実はお前がここに来る20分前ここからだいぶ離れた山奥に行くと言ってたような・・・」
「ありがとうございます!!オオォォォ待っててくれイルミ——ス!!」
・・・驚いただろうか今のあの軍人は私のお兄様『キ—スクリーラルド・ハールウェドナー』。職場ではキラルドと呼ばれている。度を越したシスコンであるが階級はかなり高いらしい。でも確か最近後輩と少し口喧嘩をしているらしい。確か、なんて名前だったか・・・中瑠さんだっけか・・・。
私は大きな泉に来ていた。ここに来るといつも落ち着く。ただそれでも、考えてしまうことがあった。よくよく考えたら私がランク3の冒険者になり、神剣バルムンクを手に入れてからわたしはほとんどセントリアさんとキラルドお兄様以外の人間と会話したことがなかった。ギルドの仲間ともそれ以外の人々からも。以前試しに行った占い師のところでは「あなたか神に選ばれた戦士。孤独になるは必然」といわれた。それは私のような人間から見れば
とても、
とても、
寂しいことだった。
「すいません。イルミニティアルス・ハールウェドナーさんですね。少しお時間よろしいですか?」
「え・・・?」
それが私とハイドロン様の初めての出会いだった。