複雑・ファジー小説

Re: 異世界武具屋【オリキャラ&コメ募集中】祝参照450!! ( No.76 )
日時: 2013/03/19 16:34
名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)

防具屋『ガードゼロ』の店主、ゼロはおおらかな男である。
例えば防具の修理を頼んだ時、修理代を払おうとしたお客に向かいゼロはこういった。

「いいよ、いいよ!俺の防具を使ってくれているからには修理代なんかもらわんぞ?」

この一言からゼロの店はゼロが作った商品は修理代が0となった。
この時、雷華達にゼロがお灸を据えられたとは言うまでもない。

そんな彼の店には様々な客が来る。
顔見知り、一見さん、おおらか発言を狙おうとするふてぇ輩
そんな客を一纏めに彼は接する。

時に喧嘩が起きる時もしばしばだ。
が、それもすぐにおさまる。
防具屋『ガードゼロ』は店員も含め全員が武の心得をもっていてランクの低い冒険者なんてちょちょいのちょいなのである。

「ゼロ、お疲れ」

「おっ!ガンジか、疲れるほどでもないな」

「相変わらず強いなお前は」

「そうでもない、上級のモンスターは俺でも苦戦するさ」

「いや普通の防具屋はまず戦わんからな?」

話が弾む、普段の武具屋の店主わ知っている人から見たら目を丸くするのではないのだろうか。俺はこんなふうに話したいといつも思っている。おかしいことはおかしいと突っ込む、これがどんなに難しいものか。

「おい!とっとと離せ!!」

「おいおい、まだ暴れるだけの元気があったか」

…そうだまだ軍が迎に来ないからまとめて縛っていたのだった。
にしても元気なものだ、既に捕まっていて何もできないくせに離せとは、ウォーハンマーで沈めてやろうか。

「離さないとボスが許さんぞ!!」

………何だと?
俺とゼロは改めて盗賊を縛って置いておいた場所に向く。
そしてすぐにゼロが聞き出す。

「どうゆう意味だ?」

「ふん!貴様はなかなか強かったがボスには適わん!とっとと俺を離すんだな」

「……ボスだと?」

「ああそうさ!俺たちはボスの命によって動いていたのさ!そこの武具屋!この間はありがとうよ!ボスのおかげでいい稼ぎになったよ!なんてったてあの人はフグッ!!?」

気がつくとゼロが拳を元気に喋っていた盗賊に向かって振り下ろしていた。先程にも説明したがゼロはおおらかだ、寛容だ、ある程度の理由があれば許してくれることが多い、そんなゼロの後ろ姿はいつも近寄りやすいオーラを出している。
それが今はどうだ、その感じはこの間見たクロさん達のナニカとはまたちがくて恐ろしいものを感じさせる。

「ガンジの武具はなぁ……」

「ひっ!ヒグッ!?」

拳は再度振り下ろされる。

「振るうため、守るためにあるんだ……」

「許してぇッ!?」

3発目の拳が振り下ろされた時に気づいた。
今ゼロが背負っているものはおおらかな友人が抱くとは思えないもの、

「金にするために使ったお前を俺は・・・」

「ふぉぅ、ふぉぅやめっ!?」

憤怒だ

「絶対に許さねぇ!!」

ゼロはおおらかな俺の親友である。それは多分これからも変わらない。
直感だったが絶対そうだろう。
だからこそ、残りはゼロにさせない。
誰にも聞こえないような声で俺はつぶやいた。

「作戦、発動だ...」

第四話「おおらか過ぎる友人」終了