複雑・ファジー小説

Re: 終焉の世界と愛されたい少年 ( No.1 )
日時: 2013/03/08 00:11
名前: アイゼルネ ◆BV8s87Y/mY (ID: NSUxBWjR)

裏序章 人生はそれを感ずる人間にとっては悲劇であり、考える人間にとっては喜劇である。—ラ・ブリュイエール


 ここはどこだろうか? どこかの洋館の一室? に、見える。窓の外はすっかり暗くなりどこか不気味だった。部屋の中はお菓子とおびただしい動物のぬいぐるみで溢れている。そんな中どこからか声が聞こえた。

??「あの世界も中々楽しかったですわね」
??「えぇ。とても素晴らしい最期でした」

 ふわっと風が起こり、どこからか二人の少女が現れた。二人とも顔は同じだが髪の色が若干異なり、桃色と濃い色の桃色の髪をしていた。濃い色の服はゴシック調。桃色の服は甘めなロリータという感じだった。
 そして風と共に現れた丸い机と椅子に腰掛ける。

??「時に桜花、下僕…もとい使用人でも雇いませんこと?」

 桜花と呼ばれたロリータ服の桃色の髪の少女はいきなりの発言に少々戸惑っていた。

桜花「な、何を仰ってるんですか? 瑠花!」

 桜花に瑠花と呼ばれたゴシック調で濃い桃色の髪の少女がにっこりと微笑みながら続ける。

瑠花「だぁって、久々に帰ってきたらお部屋はぬいぐるみとお菓子でぐっちゃぐちゃ! 片付けるのは面倒なんですもの」
桜花「でも…」
瑠花「いいじゃありませんの! 私、久しぶりに人間とお話してみたいですわ! …いいこと考えましたわ〜! 次の世界の“案内人”として雇いましょう!?」

 瑠花は目をキラキラさせて桜花に提案する。

桜花「“案内人”…。また瑠花がいじめてクビに…は勘弁ですからね?」
瑠花「あらあら私虐めておりませんわよ♪」

 クズ! ゴミ! ちゃんと案内なさい! と言ってムチで皮が剥がれるまでうつことは虐め以外の何者なのかしら。と、桜花は内心思った。

瑠花「…桜花も素敵なお姉様と“旅行”したいでしょう?」
桜花「そ、れは…! そうですけど!」
瑠花「私は綺麗な方だったら誰でもいいですわ♪」

 そう言うと瑠花は椅子から飛び降りて「あとは任せますわ〜」と一言桜花に残してかき消えるようにその場から姿を消した。
 一人、残された桜花はため息をついて下僕…もとい使用人の求人を出すことにした。