複雑・ファジー小説
- Re: 裏切りゲーム ( No.114 )
- 日時: 2014/04/02 11:10
- 名前: 咲楽月 ◆MawehM.pH2 (ID: bG4Eh4U7)
はい、こんにちは^^
今更なんですが、この小説の略称を公開したいと思います。
そんなことの為に投稿したのかよ! 他のカキ住の気持ちも考えろよ!
って思う方は少なからずいると思います。
大丈夫、心配しないで。小説も投稿するから!(どや
略称は……
"裏ゲ"です!
あ、ちょっと待ってお客さん、帰らないで!
本当に小説投稿するから!
しょうもない、って声聞こえてるから!
真面目に書くから! ねえ、待って!
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メイは暫くの間震えていた。兄たちも心配そうな顔をして出ていったが、メイの震えは収まらなかった。
「なんで…… こんなことにならなきゃいけないの? 私、何もしてないのに…… これから、皆、変わっていくの? 嫌だ、そんなの嫌だ、ねえ、どうして……!」
メイの問いかけに応える者は居なかった。啜り泣く声が聞こえた。それは、他の誰でもなく、自分の声。ああ、なんでこんなに泣くのだろう。私は、こんなに泣き虫じゃ無かった筈なのに。堪えても堪えても、涙が溢れてくる。
どれくらいそうしていたのだろうか。ぽーんと何か軽い音がした。続けて鳥の囀ずる(さえずる)音。メイが顔を上げると、鳩時計が鳴っていた。
「あ、お昼……」
鳩時計は、メイがまだ小さかった頃に父が買ってきてくれた、メイへの誕生日プレゼントだった。幼い頃は鳩が鳴くのを毎日楽しみにしていた。最近はメイが家事で忙しいのもあって、鳩時計を気にかけてはいられなかった。それもあって、鳩時計の音がとても懐かしく感じられた。
メイはふらふらと立ち上がった。階段を踏みしめるように上り、自分の部屋へ行き着くと、ベッドに横になった。枕に顔を押し付け、頭から布団を被って眠りについた。
これは悪い夢だったのだと、早く忘れたかった。
*
目を覚ましたのは、その日の夕方だった。インターホンを押す音がする。続けて、メイを呼ぶ声。吠兎の声では無かった、否、吠兎"だけ"の声では無かった。2、3人の人が呼んでいる。メイは重い身体を起こすと、ベージュのカーディガンを羽織って玄関へ向かっていった。
ドアを開けると、3人の少年少女が立っていた。少年はメイの顔を見るとほっとした様子で、頭を掻いた。後ろでは吠兎がにっこりした様子で立っていた。その隣で、ハーフツインの背の高い少女が立っていた。メイは咄嗟に頭が働かなくて、暫く突っ立っていたが、ああ、と頷いた。
「え、何、お前まさか忘れてたとかじゃないよな?」
「大丈夫、ちゃんとあるよ! ほら、CD」
「おう、サンキュ」
少年がCDを受け取ったのを確認すると、後ろの少女が肩を掴んでぐいっと横に押した。さらさらのハーフツインが揺れる。
「全くもー、蛍ったらメイが休むって聞いて動揺してたんだから! 今日見舞い行くけど、って行ったらあたし何にも行ってないのに『仕方ない、着いてってやるか』ってさ! 馬鹿だよねー、蛍ったら。いきたきゃ行けば良いのにさあ」
「ばっ…… そんなんじゃねえよ! 俺はなー、CD返して貰う為にだなー」
「そんなんって何よ?」
「うぐっ…… そう言う和羽だって凄ぇ心配してたじゃねえかよ!」
「あら、あたしはメイの親友だもの」
ギャアギャアと騒ぎ始めた少年少女、蛍と和羽を他所に、吠兎はメイの隣に寄ってきた。吠兎は元気だなあとだけ呟いて、メイにこう言った。
「んで、その辺でうろちょろしてるから俺が此処に連れてきたって訳。……それよりメイ、大丈夫か?」
「あ、うん、全然元気」
「あ、いやそうじゃなくて、」
一瞬音が消えた気がした。
"ゲームのこと"
「あ、ごめん、気にさわった?」
「……ううん、大丈夫」
それから、吠兎は今朝舞に会ったことを話した。
「あんな風になるなんて…… ごめん、俺が"メイを少しでも楽にしてあげたい"なんて願ったからだよな、本当にごめん!」
急に頭を下げられて、メイも蛍も和羽も、しんと黙ってしまった。メイは慌てて手を振ると、吠兎のせいじゃない、と弁解した。実際、こうなってしまったのはあのゲームが存在したからだった。メイは顔に笑顔を貼り付けて、必死に弁解した。自分のせいで吠兎が汐らしくなってしまうところなんて見たく無かった。それに、このゲームは一回きりでしょう? と付け加えると、吠兎は顔を上げた。
「有難う、メイ。だけど、このゲームは一回きりじゃない」
吠兎はそこで一度口を噤む(つぐむ)と、少し躊躇って(ためらって)からもう一度口を開いた。
「俺たちが死ぬまで、何度でも、何度でも続くんだ」
メイは呆然と立ち尽くしていた。
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はい、これで 第一章"ゲーム" は終了です!
お楽しみ頂けましたでしょうか?
次章では勿論登場キャラクターも増えますので、どうぞお楽しみあれ!
ねえ? お客さん、帰らないで待つだけの意味があったでsy((黙れクソチビ
……すみませんでしたっ!