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複雑・ファジー小説
- Re: 裏切りゲーム ( No.37 )
- 日時: 2014/05/24 21:32
- 名前: 咲楽月 ◆//UrPiQv9. (ID: bG4Eh4U7)
「っ!」
———此処は何処?
辺り一面に真っ白な空間。何処まであるのか解らないくらい広く見える。そして、其処に置き去りにされたように佇む(たたずむ)二人の少女。
「参加者は無事だ。直ぐ送る」
誰かと会話しているかのように呟く目の前の少女。細く白い指先を口元に持っていくと、何かをずらすような動きをしてから手を下ろした。白いフードの裾を掴むと、前に引っ張って俯いた。
———この子、何処かで見たことあるような、ないような。いや、それ以前に何故こんなところにいるのだろうか。私は登校して、教室に入って、そして……気が付いたら此処にいた。その場所に……なんで……
「あ、お気になさらず。もう転送しますので。」
険しくなったメイの顔に気が付いたのか、彼女は微笑んで応対した。そして、妙にぶかぶかのパーカーから白く細い指先だけをだし、パチンとならした。
とたん、視界が消えた。真っ暗で何も見えなく、只白い光が真っ直ぐ一本見えた。
———なにか、下半身に感触がある。粘土のようなものが独りでに動き、形作ってゆく。これは、……椅子か。目の前の物は……机。いや、そうじゃなくて、ああ、そうだ、素数を数えよう。そうだ、そうしよう。
メイは完全に動揺していた。目をあちらこちらと せしわなく動かしたり、目を閉じて素数を数えたり、深呼吸したり、何で、何で? と何かしら喋ってみたり。最終的に彼女はもう何でもいいと決心し、目を閉じた。
そこから、ゲームは始まった。
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