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柊・一縷視点

「で、着いた訳だけど…」

想像以上に込み合ってるな。混浴場にも種類があって、大浴場は数百人が同時に入れる大きさだし、他にも個室別に分かれた温泉があるんだけど、そこは一部屋につき二〜四人くらいがギリギリ入れるスペースだ。

「それでも、結構な数の温泉が集まってるっていうのに……この学園は何人が留年してるんだか」

人のことは言えたものじゃないけど、とり合えず全部の入浴場所が埋まる前に一緒に入ってくれる人間を見つけないと。……大浴場は気が進まないしな。

「誰か、一人の人は…」

キョロキョロと辺りを見回してみるが、やはり大体の人間は一緒に食事をとったものと来ているらしく、どんどん中へと入っていった。

「……はぁ。面倒だけど、また誰か捕まえるか」

そう言って、一人でいる人物を探すことにした。