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【月宮ツインズ・月宮紀視点】


　「……ん？」

ふと視線を感じて顔を上げれば女の子と目があった。
セミロングの黒髪が似合う大人びた印象を持たせる綺麗な子だ。

　「そこの子。もう少し、こっちおいで？せっかくだし」

手招きして、近くまで呼び寄せる。
近くで見てもやっぱり綺麗な子。
大人っぽいというか、雰囲気が落ち着いてる。

　「周りの皆さんも、もう少し寄ってください、ね？」
　「コイツ顔こんなですけど、中はいいやつ…」
　「それさっきも聞いたわ。
　　えっと、改めまして俺、月宮紀って言います。
　　部屋は518号室。晶とは双子です」

双子だけれど二卵性なせいもあって、顔がそこまで似てるわけじゃない。
普通に兄弟だと思われるし、確実に俺の方が年下に見られるし。

　「…夕飯まであと少しなので、あと一曲だけ。
　　ずっと見ててくれた、そこの子のリクエストに答えようと思います。
　　何かテーマの一つでもくれれば、合いそうな曲歌います」

ま、晶の方がモテるんだけどね。
スタイルいいし、大人っぽいし。