複雑・ファジー小説

Re: 貴方と恋すると決めました〜未熟な僕達の恋愛論〜 ( No.39 )
日時: 2013/03/30 23:32
名前: 戻木 (ID: AHLqKRWO)
参照: 絡みたい・・・

千夏視点

音源の場所に来てみると先にきていたそこそこの人だかり。そして、その視線の先には演奏している短髪黒髪の男性と歌っていると短髪黒髪で金色メッシュの男性がいた。あまり似ていないがおそらく双子だろう。ただの勘だけど。

しばらく演奏に聴き入っていた私だったが

「思ったよりすごい良い演奏だね〜。しかも二人ともなかなかのイケメンだし」

と、同じく聞き入っているであろう千冬ちゃんに言ったのだけど

「・・・・・・」

返事がない。ただのかわいい妹のようだ!

「返事がないぞ!my sis・・・」

いつもの軽いノリで突っ込みを入れようとして千冬のほうに向いたのだが、千冬を見た瞬間言葉を失った

なんというのだろう・・・。そう、まるで恋する乙女のよう・・・うっすらと頬を赤くして、瞳を潤ませて、ただまっすぐに二人を見ている。

「え、千冬ちゃん?」



千冬視点

演奏が行われていたのはやはり210号室と211号室の間だった。私たちの他にも何人か女の子たちが来ているようだ。

演奏しているのは短髪黒髪の男性、歌っているのは短髪黒髪で金色メッシュの男性だった。とても力強い演奏と歌だ・・・できればずっと聞いていたいほどに。

しかし、それよりも・・・

『あの人・・・なんていう名前なんだろう』

アコギを弾いているあの人は。

「思ったよりすごい良い演奏だね〜。しかも二人ともなかなかのイケメンだし」

確かに二人ともかなりのイケメンだ。でも、私は演奏している人に釘付けだった。なんなのだろう、この何とも言えない胸の高鳴りは。

「返事がないぞ!my sist・・・」

頬が紅潮しているのがわかる。どうしても彼から視線を外すことができない。ずっと演奏する姿を見ていたい。

「え、千冬ちゃん?」

そこでやっとお姉ちゃんが私に話しかけていることに気付いた。

「えっと、何?」

やっと彼から視線を外し、お姉ちゃんを見る。・・・なんでそんなに驚いた顔してるの?

「顔赤いよ?どうしたの?」

やっぱり周りにわかるほどに赤いのか・・・これは隠しようがないかな

「あそこの、あの演奏している黒い髪の人・・・」

「・・・あの人がどうかしたの?」

「あの人・・・なんていう名前かな?」






千夏視点


「えっと、何?」


こちらに振り向いた千冬ちゃん。やっぱりこれって・・・・


「顔赤いよ?どうしたの?」


熱があるわけではないだろう。そう考えると理由なんてたった1つ


「あそこの、あの演奏している黒い髪の人」


そうとしか考えられない


「・・・あの人がどうかしたの?」


いやいや、でもまさかねぇ・・・。いや、おそらく千冬ちゃんも私と同じ恋愛の考え方だろうからありえないこともないかなぁ


「あの人、なんていう名前かな?」

一目惚れ・・・しちゃったかぁ




千冬視点


「うーん、何て名前だろうね・・・」

そう言ったきりお姉ちゃんは黙ってしまった。仕方がないのでまた彼に向き直る

「・・・ありがとうございました」

歌い終わってボーカルの人が礼をするまでずっと彼を見ていた。アコギを持つ手とは逆の手でうっすら額ににじんだ汗をぬぐう。その仕草にもドキッとした。

「・・・さん、ご・・・さい。何だか・・・れてしまったから・・・外の・・・てくる。」

かすかにそう聞こえて綺麗な赤茶色した髪の女の子が早足で歩いていった。気分でも悪いのかな

「紀、ここで自己紹介しといたら?」

「はっ?」

「せっかくだし!」

アコギ抱えたまま、そう言い放つ彼。

「俺は、月宮晶って言います。部屋は519号室。どうぞ宜しく」

月宮・・・晶君というのか

「え、ちょ…えぇ?」

「コイツは月宮紀。部屋は俺の隣の518号室。ツンケンしてるけどイイヤツ」

「ちょ、晶っ!」

仲がいい兄弟なのだと一目でわかる。ノリが私たちにそっくりだ。

「・・・ん」

紀君・・・だっけか、彼がふと私のすぐ隣に目を向ける

「そこの子。もう少し、こっちおいで?せっかくだし」

横を見るとセミロングの黒髪の・・・羨ましい、大人っぽさ・・・というか落ち着きを漂わせる綺麗な女の子がいた。

名指しで呼ばれたその子がトコトコと前に行き

「周りの皆さんも、もう少し寄ってください、ね?」

そして、私たちを含めたほかの人たちが少し近寄る

「コイツ顔こんなですけど、中はいいやつ…」

「それさっきも聞いたわ。えっと、改めまして俺、月宮紀って言います。部屋は518号室。晶とは双子です」

「お姉ちゃんのルームメイトなんだね、紀君」

「らしいね、なーんか気難しそうな感じがするよ。」

そう言いながらお姉ちゃんは私を見ながら微笑み

「んで、そのお隣の部屋が晶君だね。良かったね」

お姉ちゃんの隣の部屋、それなら私が五階をうろついていても違和感ないかな・・・って、え?

「…夕飯まであと少しなので、あと一曲だけ。ずっと見ててくれた、そこの子のリクエストに答えようと思います。何かテーマの一つでもくれれば、合いそうな曲歌います」

そう言って先ほどのあの子を見る。あんなの子は少し迷った挙句

「・・・では、あなたの好きな曲を聞きたいです」

二人は顔を見合わせて驚いているようだった。自分で言ったものの恥ずかしかったのか、俯いてしまった。それにしてもなかなか勇気のある子だなぁ、大人びた雰囲気といい羨ましい限りだ。

「俺の好きな曲か…うーん…」

「紀。今日はアコギだけだし、あれでいいんじゃない?」

そういうとイントロだろうか・・・それを少し引くと晶君は分かったらしい。

「じゃぁ、それで行こうか。聴いてください」

「『君が感じた悲しみ全て、僕が喜びに変えよう』『二人で手を繋いで、共に歩いていこう』」

この学園にピッタリな恋を歌った曲。そして・・・また私は彼に釘付けになった。


※※※
前回が中途半端で絡みづらかったうえに、今回も長文ですみません、やっと追いつきました。私はあえて晶君いただきます。皆さん名物の一目惚れです。絡んで絡んでー

数時間書いてたらみんな夕食行ってた・・・まぁ、いいや。お願いです。絡んで・・・