複雑・ファジー小説

Re: 貴方と恋すると決めました〜未熟な僕達の恋愛論〜 ( No.47 )
日時: 2013/03/31 23:48
名前: 戻木 (ID: AHLqKRWO)
参照: いざ食堂へ!

千夏視点

「じゃぁ、それで行こうか。聞いてください」

黒髪の子のリクエストを聞いて最後の曲が始まった。隣を見るとまた千冬ちゃんが乙女全開で演奏を見ていた。

私はというと演奏を適度に聞きながら今日の夕食について考えていたのだが

「烏丸さん、烏丸さーん」

と私を呼ぶ声が聞こえてきた。千冬ちゃんの反対のほう、階段の所から一人の女性が私に手招きしている。彼女は副寮長でそこそこ知り合いである。何かあったのかなぁ・・・

「千冬ちゃん。」

ここを離れるならさすがに一声かけていかないといけないと思うのだが

「・・・・・・」

この調子だ。やれやれ・・・

『ちょっと副寮長に呼ばれたから行ってくるね。曲が終わるまでに帰れなかったら食堂の席確保よろしく
 \(>w<)v』

と、メールで書置きしてっと。これならいいだろう。演奏の途中で抜けるのは気が引けるがしょうがない。

そそくさと、その場を後にした。




「よう、おまえの荷物持ってきてやったぜ。」

副寮長に連れられて一階に降りると大亥川先生が私の荷物を抱えていた。そういえば持ってきてくれるって言ってたなぁ。

「ありがとうー、でもどうせなら部屋まで持ってってくれればいいのに」

確実に先生に対する態度ではないけどこの先生とは付き合いがそこそこ長いから大丈夫

「いやいや、おまえの部屋わかんねーよ。中身見なかっただけ感謝するんだな」

「そんなことしたら本気で訴えるからね、尾ひれとか背びれつけるからな」

まぁ、この人はセクハラ発言はしても、セクハラ行為はしない人だからそんな心配はない。結構信頼しているのだ。

大亥川先生は「ははは。」と笑うときびすえを返し歩き出した。

「お前かわいいのに残念なバカだな。尾ひれはついても背びれをつけるなんてことわざねーよ」

・・・余計な一言と共に。副寮長が抑えてくれなかったら飛び掛かるところだった。

なんとか落ち着いたので食堂に行く副寮長を見送った。さて、気を取り直して荷物でも置きに行こう。いつも持ち歩いている大きな救急箱の中に入っている薬の確認もしなければ。冷却シートや湿布は冷蔵庫に入れて保存しよう。
そう思い、エレベーターの前まで来た時だった。
ちょうどエレベーターの扉が開き、見覚えのある二人が出てきた。

一人は先ほどの演奏でリクエストを言っていたセミロングの女の子。

そしてもう一人は私と同室の月宮紀さんの弟の・・・千冬ちゃんが一目惚れした晶さん。

「あ、えっと・・・どうかしたの?なんかあった?」






千冬視点。

演奏が終わり、月宮君達やほかの人たちは食堂に向かった。私はすぐ近くの今年1年の自分の部屋、210号室にいた。もしかしたら誰かいるかなぁ、と微かな期待と緊張を胸に中に入る。部屋には誰もいなかった、中に私以外の荷物がないということはもう一人はまだ来ていないのだろう。この時間までいないとは・・・今年の同室の人はのんびり屋さんなのだろうか。
とりあえず荷物を置き、いつのまにかいなくなっていたお姉ちゃんからのメールを見て

「ご飯食べてきて、帰ってきた頃には来てるよね」

いや、いる。そう自分に言い聞かせて食堂へ向かう





食堂はいつも通りの大混雑だった。私も入学したときはこの状況を見てお姉ちゃん共々絶句したものだ。最初・・・足は踏まれるは、痛みでしゃがみこもうものならば心無い罵詈荘厳が容赦なく降り注いだものだ。ここで生活するにはまずこれに慣れていかないとならないだろう。
しかし、今はもう慣れたものである。ある程度流れに乗りながら目的の席にたどり着く。ここは配膳場所からかなり遠いので、配膳場所付近から埋まっていくこの食堂の構造上ここまでくる人間はまだそうはいない。私と同じ考えの人たちがちらほらいるくらいだけど。私の周りはガラガラだ。誰か知っている人がいないとさみしいな・・・

「お姉ちゃん・・・早く来ないかなぁ」

もしくは・・・晶君でもいいけど・・・



※※※
よく考えるとこの二人が一緒にいるから動かしにくいのかなぁ、と思い分断してみました。
絶対来ないであろう晶君とお姉ちゃんを待っている可哀そうな千冬ちゃん・・・。その、晶君+茜さんに出会った千夏ちゃん・・・。やっと本当に追いついたかな。

結縁さんへ
私はリク版には普通に入れますよー
ちなみに、私が最後に書き込んで以来どなたの書き込みもございませんよ。まだ書き込んでいない皆様はいかがいたしましょう?