複雑・ファジー小説

Re: 貴方と恋すると決めました〜未熟な僕達の恋愛論〜 ( No.52 )
日時: 2013/04/01 11:31
名前: 碧 ◆ExGQrDul2E (ID: o1hCwV2S)

部屋は、207番で行きますね

【日之影 葵目線】
あぁ広い。ここはなんて広いのだろう。私はもともと方向音痴だ。だけれど、ここまで私のこの能力が発揮できる学園はきっとここだけだ。
そう思いながらやっとたどり着いた食堂らしい場所。いい匂いが中から漂ってくる。すぐに扉を開けたいところだが、なぜか躊躇してしまう。開けることができないので扉の前でウロウロしていた。人に言われなくてもわかっている。不審者のようだということは。
私が前に進むたび、長い髪が後ろになびく。この髪が面倒でたまらない。私は、ゴムで一つくくりにすることにした。でも、一つくくりにすると、まるでおばさんのようになってしまった。あぁ、かっこ悪い。だけれど、面倒なのは嫌だ。どちらをとればいいだろうか。
つまらないことだが冷静に考えたくなり、床に座り込んだ。
ここは恋愛をするための学園だという。それに、二人でいかないと食堂では食べ物を貰えない。誰かと入らなければいけないのだが、誰も人はいなかった。
あぁ、しばらく空腹の時を過ごさなければならないのだろうか。あぁ、なんて恥ずかしいことだろう。
それに、前クラスの人をみたが、知り合いではない人ばかりだった。いくら私の性格でも、それは少し気が引けてしまった。だから、いまひとりぼっち状態なのだ。
「あー、ここだったら恋愛できると思ったんだけどなー」
食堂のドアに向かって喋りかける。返事が欲しかった。別に、ドアに喋って欲しいと言うわけではない。ただ、誰かとしゃべりたかったのだ。