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序章『幽霊指南役』


第一話【幽霊くんと。】


本当、突然目の前が真っ暗になった。
なにがおきたかわからないまま、あたしの意識は深い闇に呑まれていった。

と、思ったらすぐ目が覚めた。
目を開ければ、何故か涙目の両親の姿。つか、泣いてる。

「とーさん……？かーさん？」

どうした、と聞く前にあたしは両親におもっきし抱きしめられる。
く、苦しいッス！！
聞けばあたしは、事故から1週間目を覚まさなかったらしい。
それから、いろいろ検査して、まずい薬飲まされて、あたしの体調はやっと落ち着いてきた。
そしてふと、思い出す。
あれは、夢だったのかと。

『幽霊達を助けて欲しいんだよ！！』

彼、猫耳少年が言っていたこと。
そもそも、夢かもしれないのに。
でも、何故だか心にひっかかる。

「……はぁ」

一人きりの病室で、あたしはため息をついた。
もうすぐ、春。
中学最後の春である。

（てか、受験……あぅ〜…）

なんて、ごく普通の少女です。
しかし……

『ねぇ、お姉さん。みんな僕のこと見えないの？』

幽霊が視えます。
そして、病院の幽霊さんを保護しました。

「……えー、君が死んでしまったので、です」

相手は年下なのに敬語になってしまった。

『えー、そんなはずないよー？だってお姉さんにはみえるじゃない！』

おかしーよ！、なんて言われる始末です。
そもそも、この子と出会ったのはさっきの事。