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ＨＲの後の学校。廊下を掃く彼女の姿は少し幻想的で、美しくて、届かない位置にあるもののようだった。
全身から溢れ出る不思議なオーラは、それだけで彼女を普通ではないと物語る。彼女からしたら、心外なのだろうが。


【不思議×２】


「…？どうかしましたか…？」

細く消え入りそうな声。不思議ちゃんと呼ぶに相応しい容姿と性格。成程、巫女と言われても驚かない。

「いや、何となく……」

俺の返答はまさに何となくだった。ただ、同じ学年に不思議な子がいる。しかもその子は巫女らしいと言う話を聞き、どんな子なのだろうかと見に来ただけで、それ以外に理由もない。

「…桐谷純さん、ですよね？」
「え、俺の事知ってるの？」
「モテるから……」

うっすらと笑う彼女はますます浮き世離れしており、この笑顔に射られる男子が何人いるのだろうと考えてしまうほど。
俺は、例外としてな。

「…アンタもモテるでしょ？」
「そんなことないよ？」
「嘘つけ」

回りを見れば、羨ましそうにこちらを見る男子たち。ああ、



(妬まれるとは、考えてなかったなぁ)