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「怖かった！本当に怖かったんだって！」

クラスメートは、自作のセンスのないぬいぐるみを抱きながら涙目で語る。


【この家族にして自分あり】


なんでも、休日に親戚で集まり、色々談笑していたようだ、が……。

「鍛えられた」

……はい？

「なんか筋肉ねぇなとか言われてさ！そんなこと無いって言って姐さんと腕相撲したんだよ！」

ふむふむ。

「あっさり負けた…」

男として情けないってことで、鍛えられたんだね。成る程、『ねえさん』が『姐さん』なのも納得。

「その人、もう大人？」
「うん。作家」
「本当？凄いね！」
「…でも姐さんは女を廃品回収に出しちゃった系男前作家だから」

ノンブレスで吐き出された親戚のお姉さんの特徴に苦笑。
……とらやんの話によると、その人は昔不良で、大切な家族も失ったらしい。

「俺、鍛えて強くなろうかな！姐さんは怖いけど、なんか早死にして置いていきたくないもん！」
「——そうだね！」



(とらやん、その人の事、大好きなんだね)