複雑・ファジー小説

Re: Dark Blood ( No.8 )
日時: 2013/12/28 09:06
名前: 骸霍 銀蛇 ◆VQKJgiezS6 (ID: kAWEuRKf)

「可哀、想?」
斬は難しい顔をして、私の方を見た
ようやく、表情に変化があった
「ええ、可哀想よ」
「何が」
「復讐なんかして、何になるの?」
それに、ドラゴンは滅んだと聞く
「その復讐は、あなたの両親が望んだことなの?」
もし、復讐を果たしたとして、その結果に何を得ることができるのか
「ただ相手に復讐する、それしか考えてないんでしょ? だから……」

え?あれ?
私は話を途中で終えてしまった
いや、違う
声が出ない
だって、彼が
斬が





とても冷たい目で私を睨んでいるから





怖い
動けない
怖い
なんで
怖い
殺気が
怖い
視線が
怖い

「俺が、やりたいから、やる。それだけだ」
斬はそれだけ言うと、部屋を出て行った
私はしばらく動けず、その場に立ち尽くしていた

あの恐怖が、体から消えるまで