複雑・ファジー小説

Re: はきだめと方舟 [R18,短編集] ( No.4 )
日時: 2014/02/05 21:52
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: JP5iH4Hy)
参照: http://id43.fm-p.jp/data/333/epason/pri/9.png



 僕は殺されました。
 僕は、殺されました。
 今日の世界に、昨日の過去に、明日の未来に。
 僕は殺されました。

 のぞんだ死というものは、遅れたのかは至極不安でありますが、それでも僕は死にました。終わりはどうであれ、死ぬことができたのです。
 これほど嬉しいことは、今までなかったといっても過言ではないのでありました。気付けば愛情や友情とよばれるものの、その全てを、感じることなど出来なかったのでありますから。


 サア、モット空ヲ強ク掴ンデ


 ホラ、早ク


 そんな声も、僕には届かなくなってしまっているのでありました。
 あなたはそんな僕を、大きく口を開け、笑いますか。
 はるか果てまで突き進むかの如く、僕を、遠くへおいやってくださるものでありましょうか。

 夢と方舟に気付かないのでありましたら、どうか僕を、僕の首を、一つはねてくださったり致しませんでしょうか。
 一つ、僕の、死んだ後の願いを、かなえて下さるかたは、いらっしゃらないのでしょうか。

 夢せしめ、愛せしめ、何を愛と、夢と、語るのでありましょうか。
 僕には甚だ、疑問でしかないのでありまして。
 

 愛と名の付く行為であれば、全てが許された、昨日の過去とやらは、一体何なのでありましょう。
 

 僕は、殺されました。





▼もう一人、君がいて



—————

 愛することに疲れてしまったのですから、殺されることは厭わぬもの。
 卑しさに託け手を汚すも、いとわない。

—————


ダッシュの中に、意味はない。
書きとめ作品、【もう一人、君がいて】
時間があるときにSSとして掲載します。
多分。