複雑・ファジー小説
- 俺は本郷日向。暴力事件に関わって、昨日まで3週間の ( No.3 )
- 日時: 2013/06/16 08:28
- 名前: こばやん (ID: caCkurzS)
第1話 放課後の学校
俺は本郷日向。暴力事件に関わって、昨日まで3週間の停学処分を受けていた。停学処分は、今回で3回目。次は退学と言われた。俺はいわゆるヤンキーだ。
「うゎ〜、あれってさ、2年の本郷だよね、こないだ停学になってた。目付き悪くね。」
「ほんとだ。コワーイ!!」
「っわ!!睨まれた。」
「逃げよ逃げよ!!」
俺が学校に来るといつもこうだ。でも慣れた。入学当時は友達がいたが、今はいない。でも今の方が気が楽でいい。友達なんて、俺にとってはうざったいだけだ。友達なんて、勉強と同じくらい嫌いだ。
そういえば、今日はテスト日だ。授業を真面目に受けたことがない俺でも、ビリを取ったことがない。どれだけバカなやつがいるんだか…。
「面倒くせぇ」
心の声が漏れた。テストなんて眠くなるだけだ。でも受けないともっと面倒なことになるから受けるしかない。
『ドンッ!!』
「いった…」
「いってー」
誰かとぶつかった。
神山香澄だった。いつも学年一位の天才。ストレートの黒髪と、整った顔は、男子からは人気だった 。しかし女子からはいじめのターゲットだった。その理由のひとつが、テストの日しか学校にこないことである。そのくせにでかい態度でいる。
俺は神山が落とした参考書を拾い上げ、渡した。
しかし神山は、スッと取ると、お礼も言わずに走り去って言った。
「なんだあいつ。イラつくは。」
学校が終わり、俺はバイトへ言った。学校の近くのファストフードのお店だ。しかしこの道は人通りが少ない。客なんて来なかった。
バイトも終了後、隣の古本屋でマンガを買った。少し立ち読みもしていたら、すでに夜10時を過ぎていた。
「ん?」
学校の校門から人が入るのを見た。それは確かに神山香澄だった。
「おもしれぇ。」
俺は神山が何かするところを写真に撮ってばらまいてやろう、そう思って追いかけた。そして俺も校門の向こうへ入った。