複雑・ファジー小説
- Re: クロスフレイム!!【オリキャラ募集】 ( No.11 )
- 日時: 2013/06/23 13:49
- 名前: リア (ID: CBSnqzpH)
……ねえねえ知ってる?
……なに?
……最近の人さらいの犯人って「クリスタル」なんだって……。
* * *
プルルルルル………。
東京到着を告げる新幹線の音が駅に鳴り響く。
がやがやと騒がしい人々の声、そして、自らの目的の場所へ行くために駅は大混雑していた。
「す、すみま…せんッ!」
藍色のロングヘアに、黄色と水色のオッドアイの巨乳美人、浅間蒼空は駅で混雑した人たちをかき分けるようにして、改札口にたどり着いた。
そして、これが東京の人混みか、と、蒼空は改札口を通り過ぎると近くのベンチに力なく座り込んだ。
「……ハア〜……。疲れたなぁ…。やっぱ来なきゃよかったかも…?」
トランクケースが盗まれないように、近場に置きながら彼女はふと、そうつぶやいてしまった。
(……いくら睦月君に誘われたと思っても…って、ここに来るのは私が決めたことだよ!?私のバカ!)
そんな思いを振り払うように、蒼空はブンブンと頭を振った。
すると、頬にぺちん、と冷たいものがふれた。
「ひゃあ!」
「遅い。俺を1分以上待たせるとはどういう意味だ。蒼空。」
「む、睦月君…!」
蒼空は冷たいものがふれた頬に触れながら自分を見下ろす銀髪赤目の筋肉質の美青年、桐生睦月を見上げた。
そんな彼はズズ…。と缶コーヒーを飲んでいた。
「だって・・・人がたくさんいたんだよ!?」
「そりゃあいるな。東京だからな。」
「もうっ!」
たいして興味なさそうに睦月は缶コーヒーを飲み干す。
「そして改めて思ったが蒼空。お前良く親御さん説得させたな。」
「あ〜。うん、まあね。」
蒼空は苦笑しながらトランクケースをからからと引きずり、睦月に合わせて歩き出した。
「も、もちろん案内してくれるんだよね!?東京池袋!私、修学旅行以来だから…!」
「おー。この俺がじきじきに案内してやる。うれしく思え。」
「変わんないねその性格…。」
蒼空は逞しく成長してしまった睦月の脇腹を軽く肘で小突いた。
男性特有の逞しい筋肉に、蒼空は昔とは違うのか、と深々と感じさせられた。
* * *
「……で、ココが池袋で有名なサンシャイン60階だ。」
「わあ〜!やっぱり大きいね!」
「慣れれば日常だ。」
「そんなこと言わないで!」
蒼空は頬を膨らませた。
「……あ……。」
「どうした?」
「あれ…。」
蒼空が指差す方向を一緒に睦月は見た。
そこには…。
「なーお嬢ちゃん。男しかいないさびしい俺等とちょっとだけ付き合ってくれってだけだからさー。」
「そーそー。ボランティアだと思ってさ。あ、もち俺等のおごり!」
「カラオケとか行こうぜー。」
「あ、あの……。私急いでるんで…。」
黒髪黒目のスタイルの良い優等生のような容姿をした少女がガラの悪い不良に絡まれていた。
「さびしいこと言うなって!」
「……ッ!」
ガッと少女は腕を持ち上げられた。
「私、止めてくる!」
「やめろ。こういうのはしょっちゅうあることだ。お前はここにいろ。オレが止めてくる。」
「ダメ!睦月君だけにそんな危険なことさせるわけにいかない!……コラーーーーーーー!やめなさい!よってたかって女の子をいじめて!!」
蒼空は睦月の腕をつかんで不良達のところへ近づいた。