複雑・ファジー小説

Re: クロスフレイム!!【オリキャラ募集】 ( No.20 )
日時: 2013/06/23 19:42
名前: リア (ID: CBSnqzpH)

「あ?なんだ、こいつら……。」
(……どうして…?)


 優等生らしい少女は目を丸くしてずんずん近寄ってくる2人を見つめた。
 不良達は怪訝な目で蒼空と睦月を見た。
 睦月はきまり悪そうに蒼空をかばうように前に出た。


「おい、でもこのお嬢ちゃんも結構……。」


 不良の1人は、いやらしい笑いをこぼしながら蒼空をなめまわすように見る。


「おい貴様等。目障りだからとっとと消えろ。今消えれば見逃してやる。」
「はあ?なんだテメエ偉そうに……。」
「男には興味ねえんだよ。お前が消えな。」


 不良共はギャハハと下品な笑いをこぼす。
 だが、睦月は何も動じずに仁王立ちするだけだ。
 そんな彼が気に入らなかったのか、不良共は腹を立てて拳を握った。


「そのツラァ、舐めてんのかコラ!!」


 ヒュ、と軽々睦月はその不良のパンチをよける。
 ガッと、その不良の腕をつかんで唸るようにつぶやいた。


「……誰に拳を向けてやがる!!!」
「うごはあッ!!」


 ボゴォ!と、けたたましいほどの音を立てた蹴りが不良の顔に炸裂する。
 痛々しいほどの赤い傷跡を作って、不良はズシャ、と気絶した。
 本来なら、大ごとになりかねないが、今日は日曜日の午後6時。
 人が多く、並大抵の音が響かないため、このけりは6人しか知らないこととなる。


「て、テメエ!良くもやりやがった…うげえッ!」
「黙れ。」


 間髪入れずに睦月はもう1人の不良の鳩尾にまた蹴りを入れて気絶させた。


「う、動くな!この女がどうなってもいいのか!?」
「………。」


 うろたえた最後の不良は蒼空の首に腕を回し、拘束していた。
 そんな状況にびたっと睦月の動きが止まったが、カッと顔を上げた。


「貴様誰の許可を取ってソイツに触っている!!!!!」
「ゆ、許して—ーーーーーーーーーッ!!」


 ドグシャア!!と、本日最大のけりが不良に激突した。
 声を出す暇もなく、不良はそのまま倒れた。


「……油断しているから簡単に捕まるんだ。気をつけろ。」
「あ、あはは〜。ありがとう、睦月君。私、東京に来てから油断しちゃってた…。」


 空笑しながら蒼空は再びトランクケースに触れようとした。
 睦月は素っ気なく、蒼空のトランクケースを奪い取った。


「……お前はいろいろと鈍くさいからな。オレが運んでやる。」
「え?でも。」
「気が変わるぞ。おとなしく運ばれておけ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」


 ニコニコと蒼空は微笑んだ。
 そして、気まずそうに、先程不良に絡まれていた優等生系少女はおずおずと2人の前に近づいた。


「先程は、ありがとうございました!どうお礼を言ったらいいか…。」
「ううん、お礼はいらないよ!気にしないで…というか、今回は全部睦月君がやっちゃったし!」
「礼はいらん。今度から気をつけろ。」


 そう言って、睦月が歩き出そうとすると、気が付いたように蒼空は少女の手を握った。


「あ、そうだ!だったらあなたも一緒に東京を案内してくれないかな!?私、今日が東京に来るのが初めてだから…!」
「わ、私で良ければ…。」
「本当!?ありがとう!私、浅間蒼空って言います!こっちの男の子は桐生睦月っていうの。あなたは?」
「わ、私は四宮花怜です……。」
「お、おい……。」


 女子同士の会話に睦月はうろたえだした。


「いいよね睦月君!」
「よ、よろしくお願いします……。」
「……わかった。勝手にしろ!」


 ため息をつきながら睦月は言った。