複雑・ファジー小説
- Re: クロスフレイム!!【オリキャラ募集】 ( No.22 )
- 日時: 2013/06/25 19:14
- 名前: リア (ID: CBSnqzpH)
「…うれしそうだね。花怜君。」
「え?」
一瞬で景色が移り変わる街並みから、花怜は麗次に目を移した。
麗次は嬉しそうに目を細めた。
「はっはっは!!君はめったに人を友達とは言わないからね!私もうれしいところがあるんだ!!」
「……あの2人はいつもの子と違う感じがしたんです…。特に、蒼空ちゃんは。」
「ほお……。」
「私は、普通の子じゃないから……。」
* * *
「……いいか蒼空。お前に言っておくことがある。」
「何?睦月君。」
がやがやとまだ騒がしい池袋中心街を2人は歩いていた。
蒼空のこれから住まうアパートに向かっていた。
「この池袋では絶対にケンカを売っちゃいけないやばい奴がいる。」
「私ケンカなんて売らないよ!?」
「一応だ。まあ、俺がいたら別だがな。」
「またそんなこと言って!」
蒼空はそっと睦月の顔を覗き込む。
そんな彼の顔は真剣だった。
(……睦月君………?)
「一人目は島原咲。こいつは大人しいからまだ大丈夫だが、ケンカを売ったら滅多打ちだ。そして、次が月闇クロ………。」
「呼んだかしら?」
「!?」
睦月の言葉を遮るようにして、黒いマントを着た、風貌が仰々しい女が2人の後ろに立っていた。
「……久しぶり。……桐生君。」
「………。」
クロの声には答えようとしなかった。
睦月の雰囲気が突き刺さるようなものになるのを蒼空は感じた。
「……あなた、桐生君の友達?」
「あ、いえ。幼馴染です。……浅間蒼空って言います。」
「バカ、言わなくていい。」
「……かわいい子。」
クロはパサッとマントのフードを外しながら言った。
そして、ツカツカとこっちへ近寄ってくる。
だが、彼女の視線は睦月ではなく蒼空だった。
「……その御守り……。」
「あ、これ私の実家の寺社の御守りです!」
「……炎熱の……巫女…………。」
「え?」
「なんでもないわ。気にしないで。」
ボソリとクロはつぶやくと、次に視線を睦月に動かした。
威風堂々、睦月は睨むようにしてクロを見据えた。
「何か用か?」
「……いえ。ただ忠告と伝言に。もう帰るから…………。」
「伝言?」
「ええ。—————————————————・・・・・。」
「……ッ!」
「……じゃあ、これで。また会いましょう。」
そう言ってクロはその場から立ち去ろうとした。
ズオオオオオオオオン!!
「……え?」
蒼空は改めて地面を見た。
地面がえぐれるように破壊されていた。
しかも、クロの地面だけ。
当人のクロは嫌そうに小さく舌打ちをしていた。
次の瞬間、ざっと、人が現れる音がした。
「月闇クロ。どうして渋谷に拠点を移しているあなたがここにいるのですか。」
「……どこだっていいじゃない。」
赤い短髪が特徴的な女が鉄バットを持ってそこに立っていた。
「……いいか蒼空。あれが、島原咲。通称鬼姫だ。」
「……鬼姫………。」
蒼空は、ただ2人を見ていた。