複雑・ファジー小説
- 最終章突入! ( No.139 )
- 日時: 2014/01/28 13:04
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: N9GVfZHJ)
【第八章 解決編】
〜〜第一話:誘拐〜〜
「でな? ところでなんだが……」
ユメノの寝室にて。
ネグリジェからピンクのドレスに着替えたユメノが、絢爛豪華な装飾の椅子にどっかりと腰を下ろして。
キリとアスカとイズミを前に、当然の疑問を放った。
「なんでみんなココにいるのだ?」
その疑問は、ごもっともである。
朝起きると、城下町で【小箱探し】をしていたはずのキリとイズミがいて、更にはそこへ向かうために城を抜け出したはずの兄が、今、目の前にいるのだ。
不思議に思うのも無理は無い。
その兄からしてみれば、城の中で"国王"の次に出会いたくない人物と出会ってしまって"最悪の状況"とでも言おうか。
実の兄として、一番会いたくないと言いきれる——出来ることなら、出会いたくなかった人物——それが実の妹、ユメノである。
ユメノが関わると色々と面倒くさいことになるのは、アスカ自身、十分に理解していた。
今の今まで、ずっとそうだった。
アスカのユメノに対する過去のトラウマが、ユメノとの関わりを潜在的に拒否する。
果たしてそこまで拒絶を示すアスカに何があったのかは、読者の方々のご想像にお任せするとして——。
「すっ、好きでここに来たんじゃないんだからな」
否、そのお世話係のウィンクだけでそもそも手一杯であったアスカは、……とにもかくにも兵士に追われるはめになり。
何故かユメノの寝室に飛び込んでしまったのが彼の運のツキであった。
「なんだなんだ。兄上ったらそんなこと言って、……まさか兄上ともあろう者が、実の妹の寝込みを襲いに来たとでも言うのか?」
ユメノの可愛らしい口元が、キュッと歪む。
「うわあ〜、これはまさに『マジキモーイ』というヤツだな」
「きゃあー。え、そうなの? アスカって、シスコンなの?」
「アスカ王子ともあろうお方が、まさか……そんな性癖が、あったなんて…………、ウィンク、ショックでございます。よよよよ」
ユメノに続いて、キリとお世話係ウィンクの追い討ちをかけられ、
「誰がシスコンだ、どんな性癖だっ! ったく、オマエら好き勝手言いやがって……!」
必死で反論するアスカ。
イズミは相変わらずの騒々しさに、やれやれとため息をつくのだった。
——と、そこへ。
『コンコン——』
「失礼致します」
それは突然の来訪者だった。
ギクリと身体を震わせるアスカとウィンク。
キリとイズミは咄嗟にベットの下に隠れた。
と、同時に、
がちゃりと扉が開けられた。
「ご歓談のところ、失礼致します」
現れたのは、ウェルリア兵Aクラスのフィアルであった。
アスカが一歩進んでフィアルに言う。
「なんなんだ突然。どうしたんだ?」
「アスカ王子、ここにいましたか。王妃様がお呼びです」
「母上が……?」
その言葉にアスカが訝しげに首をひねると、フィアルは深く頷いた。
「王妃様はご自身の寝室で療養中でございます。さあ、着いてきてください」
母上が呼んでいる……。
アスカは言われるがままにフィアルに連れられて、ユメノの寝室をあとにした。
++++++++++
「…………もう、良いぞ」
ユメノの声に、キリとイズミはベットの下から息荒く飛び出した。
絨毯の上に四肢を放り出して、
「うっはあーーっ。ビックリしたあーー」
「はい、バレたかと思いましたね……」
酸欠になりかけなのか、肩を大きく揺らして深呼吸するキリ。
「でも、バレてないよね。良かった良かった」
「ですね。アスカ王子に何か用事だったみたいですね」
「いやあ〜〜、良かった良かった」
「本当ですね」
安堵のため息を吐くキリであったが、
「…………?」
何故かその心は、嫌にざわつくのであった。
- Re: 【最終章突入】ウェルリア王国物語-紅い遺志-【銀賞受賞】 ( No.140 )
- 日時: 2014/01/29 11:39
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: 7HU7AJ2T)
++++++++++
城の最上階に位置する王妃の部屋へ、アスカとフィアルは無言で向かっていた。
どちらから声を発することなく、2人は無言のまま、歩く。
何段も階段を登り、2人はようやく王妃の部屋に着いた。
「王妃様、お連れ致しました」
フィアルが扉をノックし、一言声をかけてから、アスカを部屋に通す。
アスカは、少々緊張した面持ちで室内に入ると、
「母上、お呼びですか?」
部屋の奥の、天蓋が吊ってあるベットに話しかけた。
白い天蓋の向こう側には、病床についているはずの王妃が横たわっているのだ。
——刹那。
『ガンッ——』
後ろの方で何かが壁に叩きつけられるような物音が響いた。
一瞬ビクリと肩を震わせて、振り返るアスカ。
ところが、振り返った先には、特に何もなかった。
「…………奥の部屋からか……?」
王妃の寝室には、扉を挟んでもう1つ部屋がある。
そこから物音がしたのだろうか。
アスカは、物音のした方へ向かおうと足を踏み出した。
…………その時だった。
今度はアスカの後ろに控えていたフィアルが、突如呻き声を上げた。
「ううっ…………!」
大きな音を立てて、その場に倒れこむ。
その突然の出来事に、アスカは驚きつつも、すぐに介抱しようとフィアルに駆け寄った。
「だ、大丈夫か? オイッ……、しっかりしろよ…………!」
フィアルの身体を抱え込んで強く揺さぶる。
「オマエ……おいっ!」
一向に返事は無い。
必死になってフィアルを叩き起こそうとするアスカの注意力は、散漫していた。
「どうしたんだよ、何があった? フィアル!」
——いつもとはなにかが違うという異変に。
この部屋に【奴ら】がいるということを。
「オイッ……!」
アスカは、気がつけなかった。
——目の前のことに必死になりすぎて。
必死になっているアスカ、その背後にあるベッドの天蓋を静かに割って、とある女性が無言で姿を現した。
無論、アスカは気がついていない。
さて。
彼女は、王妃ではなかった。
ただ、無感情で。無表情で。
今もひたすらフィアルを揺さぶっているアスカを、彼女は、ただ、じ——っと見下ろしていた。
その目は冷ややかであった。
そしてその手には、長い棒のようなものが握られていた。
次の瞬間。
その人物がアスカの後頭部に【ソレ】を振り下ろした。
「うぐっ…………!」
殴られた部分に熱い衝撃が走り、そのままアスカは床に倒れ込んだ。
遠のく意識の中でアスカは、ふと、あの時の不吉な予感はこの出来事のことだったのかとおぼろげながら考えていた。
クラーウ時計店での、異様なまでの自分の行動を。
(人の【勘】って、意外と当たるもんなんだな……)
過去の自分を嘲るように口を歪ませる。
そして、そのまま。
ぷつり——と。
アスカの記憶は途絶えたのだった。
——どこかで誰かに笑われた気がした。
- Re: 【最終章突入】ウェルリア王国物語-紅い遺志-【銀賞受賞】 ( No.141 )
- 日時: 2014/01/30 10:47
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: caz/iih5)
++++++++++
一方で、何も知らないキリとイズミはというと。
「アスカ遅いねー」などと話しながら、ウィンクに用意してもらった紅茶でしばし一服していた。
もちろん城内のカフェに行くわけにもいかないので、ユメノの寝室で4人はテーブルをかこんでの談笑である。
もっとも、キリが一番興味津々であったのは、話の内容よりも、紅茶と一緒に出された洋菓子であったのだが。
「それにしても、アスカ様、遅いですねえ」
突如、ウィンクが、イズミのカップに紅茶を注ぎながらそう言った。
ユメノが洋菓子を頬張りながら、当然のように言い放つ。
「まあ兄上は母上が好きだからな。久々に話ができて、盛り上がっているのであろう?」
「……それにしてもですよ」
ユメノの言葉に、イズミが反論する。
「いくらなんでも遅すぎます」
そう言ってから、「僕、少し様子を見てきます」と言うイズミを、ウィンクは慌てて押しとどめる。
「イズミ様。それだとイズミ様とキリ様の侵入がバレてしまいます」
「まあ……、それはそうですが、しかし……」
それでも断固として行こうとするイズミに、
「ワカリマシタ。……ここはワタクシにお任せください、イズミ様!」
いつものドジっ子っぷりとは違って、珍しく頼りになりそうな様子で。
ウィンクは、
「お任せくだサイ」
再度そう言ってからドンッと胸を叩いた。
そのまま寝室の扉付近に歩み寄り、
「ワタクシがアスカ様の様子を見てまいりますッ!」
それを聞いたユメノが声を上げる。
「ああ〜っ! それだったら、ユメノも仕方なしについていってあげるぞ」
立ち上がって、ウィンクを一瞥する。
「ウィンク1人だと、心配だからな!」
その様子に、イズミは笑みを浮かべて頷くと、
「そこまでおっしゃるのなら……ではよろしくお願いします。頼みましたよ、ユメノ様」
そう言われて、ユメノが嬉しそうに胸を張る。
「うむ! 仕方がないなあ。イズミしゃんの代わりに、ユメノが行ってやろうではないか!」
「ハイ、お願いします。ユメノ様」
「イズミ様、待っててくださいね。ワタクシたちにお任せください!」
「ハイ、頼りにしてますよ。ウィンクさん」
「全く〜、仕方がないのお〜〜」
「本当に。ですねえ、ユメノ様っ」
「全くなのだ!」
「頼りになりそうですね、ワタクシたち!」
「あのイズミしゃんに頼まれたのだぞ!」
「そうですよお!」
「……あのう…………」
きりが無い不毛なやりとりに、イズミはため息をついて一言。
「……早急にお願いしますね。ユメノ様、ウィンク女史」
慌てて姿勢を正すユメノとウィンク。
「そんなことは分かっているのだ!」
そうしてビシィッと言い放ち、ユメノとウィンクはようやくダッシュで寝室をあとにしたのだった。
ユメノとウィンクが去り、あとに残されたのは、侵入罪で捕まる恐れのあるキリとイズミの2人。
嵐が去ったように静まり返った寝室だったが——その空気は、何故か重たかった。
「……ねえ、イズミさん」
キリがぽつりと呟く。
イズミが無言で頷いた。
2人の脳裏に、最悪の状況が浮かぶ。
——嫌な予感がする。
————その直後であった。
「キャーッ!!!」
微かに、女性の甲高い悲鳴が聞こえた。
気のせいでは、ない。
「今のって……」
「この上の階のようです」
「行こう、イズミさんっ!」
「ええ、そのつもりです」
キリとイズミは、ウェルリア兵に見つかる云々のことにはなりふり構わず、即座に悲鳴のした場所へ駆けつけたのだった。
- Re: 【最終章突入】ウェルリア王国物語-紅い遺志-【銀賞受賞】 ( No.142 )
- 日時: 2014/01/31 22:05
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: LkcNOhbf)
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他の部屋よりも装飾が豪華な大きな扉。
その手前で、ユメノが尻餅をついて倒れ込んでいた。
「ユメノ様、どうされましたか?」
「あ、ああ…………イズミしゃん……」
「どうしたの、ユメノちゃん!」
震える唇を必死に動かしながら、ユメノが室内を指差す。
「…………あ……」
「ん……?」
キリが振り返るよりも先に、無言で室内に侵入するイズミ。
室内には、ウィンクが蒼白な顔で立っていた。
イズミが緊迫した面持ちでウィンクに尋ねる。
「……ここで、何があったんでしょうか」
「分からないデス……けど、これは…………事件、ですよね」
ウィンクの視線の先には、まだ乾ききっていない血溜まりが出来ていた。
紺碧のカーペットが何者かの血で黒ずんでいる。
キリに付き添われて室内にやってきたユメノは、それを見て思わず小さく悲鳴を上げた。
小さな手でウィンクの服に強くしがみつく。
「あ……王妃様はっ……?!」
イズミの言葉にみなが顔を見合わせる。
王妃の姿は室内には見受けられない。
どころか、人一人この室内にはいないようだ。
「アスカ王子、……王妃様…………?」
先程想像してしまった最悪の状況を再度思い浮かべる。
まさか……まさか……。
——と。
思案していたイズミの耳に、『ガンッ——』と、なにやら物を叩きつけるような音が飛び込んできた。
寝室奥に位置する扉の向こう側から聞こえる。
刹那、王妃の寝室に沈黙が訪れる。
再度、『ガンッ——』と壁を打ち付けるような音が響いた。
「い、イズミ……さん……」
「キリさん。この音は……」
2人はお互いに顔を見合わせると、恐る恐る奥の扉に近づく。
ごくりと誰かがツバを飲み込む。
「ウィンクさん、ユメノ様をお願いしますね」
イズミの押し殺すような声に、ウィンクがしっかとユメノを抱きしめる。
「開けますよ……」
イズミが険しい顔つきでその部屋の扉を開けた。
ひっ——とキリが息を呑んだ。
目の前に現れたのは、猿轡を噛まされて両手両足を縛られた王妃の姿だった。
王妃の目がキリとイズミを射抜く。
しっかりと意識があるようだ。
ひとまずその場で縄を解いてやるイズミ。
キリは短剣の柄を強く握りしめながら、イズミが王妃を介抱している間、誰かいないか小部屋を見回して——。
「あれ……?」
その時、王妃が縛られていた周辺に、何かが落ちていることに気がついた。
見慣れた【ソレ】を、ゆっくりと拾い上げる。
イズミが目を見開く。
「キリさん、それって……」
今度はキリの瞳孔が大きく見開かれる。
キリが今、手にしている【ソレ】は。
まさしくキリたちが追い求めていた——、反政府軍によって奪われたはずの——、【小箱】であった。
- Re: 【最終章突入】ウェルリア王国物語-紅い遺志-【銀賞受賞】 ( No.143 )
- 日時: 2014/03/07 16:49
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: bh4a8POv)
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錯乱状態の王妃をベットへ運んでから、イズミは落ち着きを取り戻した王妃に事情を聞いていた。
「アスカは、……何者かに、連れ去られました」
少し間をおいて、王妃がそう答えた。
キリとユメノ、ウィンクの目が驚きで見開かれる。
イズミの表情は固いままだ。
「王妃様、猿轡を噛まされてましたよね」
イズミの質問に、王妃が蒼白な顔で頷く。
「その時に、何か……犯人らしき人物の顔は見ましたか」
続けざまにそう問われ、王妃はしばらく黙りこんだ。
そして、
「顔は……見たのですが……おぼろげにしか…………。……そうです、ウェルリア兵の服を着た男性に、睡眠薬をかがされました」
「ウェルリア兵の男性ですって?!」
イズミが大きな声をあげる。
——そうか、ウェルリア兵の中に【誘拐犯】が混じっていたということか。
しかし……。誰だ?
「 ……年齢は、どのくらいでしたか」
「確か……」
王妃が細くて白い指で、すっとイズミの顔を指差す。
「……僕、ですか?」
イズミが、拍子抜けしたような顔で聞き返す。
キリとユメノが息を飲み、ウィンクが「まさか」と言いかけて、慌てて口を塞ぐ。
「王妃様、……? あの、わ、私はその…………」
「…………ちょうど、イズミくらいの年齢でした」
乾いた唇から紡ぎ出された王妃の言葉に、イズミは「ああなるほど」と胸を撫で下ろす。
そうしてから、すぐに真顔になる。
——僕と同い年の兵士と言ったら、リークくんたちAクラスの面々だな。…………誰が一体、こんなことを……。
Aクラスの面々を思い浮かべるに、そのような人物がいたかとイズミは顔をしかめる。
——と。
そこへ、騒ぎを聞きつけたウェルリア兵たちが数人、口々に喚きながらやってきた。
「何事ですか王妃様あっ! ……って、い、イズミ……?!」
そうして、何故か城を逃げ出したはずのイズミがこの場にいることに驚愕する兵士たち。
しかし、王子が誘拐されたという緊迫した状況下からして、今は【脱走した兵士】云々を論議している場合ではない。
イズミは鋭い口調で「今僕に構ってる暇ではありません」そう言ってから、多少まくし立てるようにウェルリア兵たちにこれまでのことを一通り説明した。
そして、最後に急いでこう付け加えた。
「ウェルリア王国の第一王子が誘拐されました。ウェルリア兵の総司令官、ヨハン=ファウシュティヒを呼んできてください。早く!」
イズミの物凄い剣幕に、ウェルリア兵の1人は無言でコクコクと頷くと、ヨハン先生を呼びに王妃の寝室を後にしたのだった。
少し離れた場所で、キリはユメノと身を寄せ合ってその様子を見守っていた。
恐怖からくる震えで、キリは立っていることも億劫であったが、沢山の人々がいる手前、なんとかその場に立っていた。
——さっきイズミさんが言ってた【ヨハン】って人……。
「もしかして、前言ってた【イズミさんのお義父さん】……?」
キリは心なしか、不安に揺れる気持ちを押しとどめるためにギュッと自分の胸元の服を掴むのだった。
- Re: 【最終章突入】ウェルリア王国物語-紅い遺志-【銀賞受賞】 ( No.144 )
- 日時: 2014/02/02 12:40
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: RaUA8Tgo)
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しばらくして、ガチャガチャと剣同士のぶつかる音が扉越しに聞こえてきて、ヨハン先生が数人の兵士を連れて寝室に姿を現した。
入ってくるなりイズミの姿を捉えたヨハンは、安堵の表情で声をかける。
「イズミ、……無事だったんだな」
「…………」
イズミは特に表情を変えることなくその言葉を聞いていた。否、果たして聞いているのか。
微動だにしないイズミに、ヨハンは困り果てたように1つ笑みを浮かべると、そのまま後ろを振り返った。
「……さあ、どうぞ」
そう言って、一歩身を引いて——
ユメノがわあっと声をあげた。
「父上〜〜!」
周りの兵士たちがごくりと唾を飲み込んだ音がした。
メイドのウィンクも驚きの表情を浮かべている。
キリは、というと、自分のもとから駆け出していったユメノを唖然とした表情で見送り、ユメノがその胸元に飛び込んでいった人物の顔をじっと見据えていた。
——恰幅のよい体型に、顎ひげを蓄えた身なりの良い人物……。
「…………国王様……」
いつの間にそこにいたのか、キリの横でイズミがぽつりと呟いた。