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複雑・ファジー小説
- Re: コワレモノショウコウグン【R-12〜18】 ( No.1 )
- 日時: 2013/09/07 14:06
- 名前: たろす@ ◆kAcZqygfUg (ID: cFnfE6j5)
- 参照: 愛する哀しみを飲み干す術を、一体誰が授けよう
【表題:コワレモノショウコウグン】
——愛とは、果たして何でしょう?
何処にあるモノでしょう? 誰が得るモノでしょう?
貴方は、愛を信じますか?
愛が見えますか? 感じますか?
愛とは何でしょう?
それは、きっと誰もが持った、誰もが何処かで拾い上げた、
誰もが胸の内に秘める、ささやかな傷みだと、そう思います。
貴方を愛した時、私は変わるのでしょうか?
私が変わった時、貴方を愛するのでしょうか?
例えば私の愛を、貴方が取るに足らぬ物と蔑んでも、私は一向に構わないのです。
例えば貴方の事を、私が身を裂くほどに愛してしまっても、私は一向に構わないのです。
コワレモノの様なこの想いが、どのような形でも貴方に届くなら、私はその愛に殉じたい。
愛とは果たして何でしょう?
きっとそれはコワレモノのような、開かずの箱に閉じ込められた、小さな小さな病です。
人を愛する事に、形も終りも制限も、誰かの作った型など、必要ないのです。
病が常に唐突に起こる様に、愛とは、気付いた時にはもう、そこにあるものなのです。
だから私は愛するのです。 例えそれがどのような悲劇になろうとも。
愛する事に臆するな。
愛する事を恥じるな。
愛する事を躊躇うな。
愛する事とは、私が産まれてしまった事の様に、もう変える事の出来ない、普遍的なモノなのです。
私は、愛する事を美しい事とは言いません。 ただ、愛する事は、なんて事の無い、有り触れた事だと思います。
さあ、この愛する哀しみを飲み乾す為に、コワレモノの在り処を探しに往きましょう。
——暁に綴る酔いどれの手記「コワレモノショコウグン」より。
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