複雑・ファジー小説

Re: 紅玉の魔女と召え魔の翼 ( No.131 )
日時: 2013/08/29 17:14
名前: アルビ ◆kCyuLGo0Xs (ID: A/2FXMdY)

24.

*アリスside*

ゼルフを連れて、あたしは即興で作り出した亜空間に場所を移動した。
とりあえず、背景の『絵』は……まぁ適当にあたしの故郷かしら。

「……あの半人前もいいところだった小娘が、一瞬でここまでの『空間』を創れるほどになるとはな」

ゼルフが感心するように言った。
わりとマイペースなのよね、このヒト。

「いい加減ヒトのこと小娘扱いしないでくれるー?こう見えて世界中に名を轟かせる偉大な魔女なんですケド」
「お前の母親も、昔まったく同じことを言ったものだな」

そんな風に他愛無い会話をして、それからゼルフは「それで」とあたしに本題を尋ねてきた。

「何のつもりだ?わざわざ2人きりになってまでの話とは。俺はもう少しで人間の一国の王を殺せたのだが」
「だーかーらー、それを防ぐために決まってるでしょ。ヒトの話も聞かずに殺人鬼になるんじゃないわよ、破壊神」

ちょっとふざけた感じで、あたしはピッ、と人差し指を突きつけた。
それから腕組みをして、ゼルフの前に立ち、あたしは問いただした。

「あんたさ、どーしてそんなに人間が嫌いなわけ?一応人間だっていいやつもいるのよー?」
「……お前の友人のことか」
「リーちゃんもそうだけど。ライトの故郷を侵略から訴えて保護したのも、人間なのよ」
「その『侵略』を行ったのも人間だというのにか」

やはり、ゼルフも空中庭園の侵略戦争については知っているらしい。
……ま、当然と言えば当然ね。
ライトたちは知らないけど、このヒト『歴史を眺めし者』と呼ばれるくらいの長寿神なんだし。

「あたしはさ、ゼルフ」

腕組みを解いて、ちょっと歩き回りながらあたしは続けた。

「人間なんてひとくくりにできないのよ。もう、それこそ人間の中で別の名称を付けて種族分けするべきなんじゃないか、って思っちゃうくらい人間にはいろいろな奴がいると思うのね」
「…………」
「あんたも、本当はもう気づいてるんじゃないのー?ヴィル君が全面的に悪いわけじゃない、ってことくらい。あんたそこまで馬鹿じゃないでしょ」
「グリフォンにも同じような感じでなぜか褒められたが、俺はそこまで有能そうに見えるのか?」
「見える」

あたしは即答してやった。
ここで嬉しそうにするのではなく、若干疲れた風になるのがゼルフらしい。
はぁ、とため息をついてゼルフはあたしに語った。

「本来はな、今回の革命に乗じて俺はあの国を滅亡させるつもりだった」

サラリと、普通の人間が聞いたら卒倒しそうなセリフを言う。
あたしは無言で続きをうながした。

「まずはあの国を手始めにして、後にゆっくり時間をかけて全世界の人間を滅ぼそうと考えていたんだ」
「……偉い時間がかかりそうね」

思わず顔をしかめて言ったあたしの言葉に、ゼルフは小さく笑って答えた。

「俺には悠久の時がある。時間など湯水のように使えるのさ。——どれだけ時間がかかろうと、俺は人間どもを根絶やしにするつもりだった。……だが」

少し区切って、ゼルフはあきれたように言った。

「まさかその『手始めに手を付けた国』で、あんな物好きな魔獣と遭遇するとはな」
「ブライアント=レノワールよ。ヒトの名前、覚える練習くらいしたら?」
「今までの何千年で、俺がどれだけのヒトと遭遇し出会ったと思う?言っておくが俺はそこまで頭はよくない、覚えきれるわけがなかろう」

……嘘ね。
本当は、ゼルフは出会ってきたヒトの名前どころか、これまで見てきたもの、聞いたもの、すべて鮮明に覚えている。
あらゆるヒトやモノとの出会い、別れ、そして死すらも……鮮明に。

あたしは知っている。
ゼルフが相手のことを、名前で呼ばないのは——もしその相手が死んでしまったとき、永遠に会えないことを悔やみたくないからだ。
……確かに、虚空に向かって2度と会えないヒトの名前なんか呟いてたら、神として示しがつかないわね。

「あんたがもう一度会いたいと思えるほどのヒトたちが、あたしのパパやママみたいに霊界で生きられるほどの『気力』を持っていればね〜。あたしが会わせてあげないこともないのに」
「気遣い感謝する。ま、お前の両親のような怪物が、この世にそう何人もいてはたまったものじゃないが」

むぅ、とあたしはちょっとむくれて見せた。

「あたしのパパとママは美男美女の史上最高な夫婦なのよっ。怪物なんかじゃないから!」
「……お前の家族は本当に、なんというか——家族愛が絶えないな」

ゼルフはちょっと言葉を選びながらそう言った。
なーんか、褒められた感じがしないけどまぁいいか。

ゼルフは話を戻した。

「……まぁ、ニンフェウム、お前の言いたいことはわかった」
「あら、じゃあ人間は滅ぼさないでくれるワケ?」
「ああ。——今は、な」

ちょっと意味深なことを付け足すように、ゼルフは言った。
とりあえずあたしは「ふーん?」とだけ言って、まぁ納得しておいてあげたわ。

「じゃ、それだけわかってくれればいいのよ♪空間、元に戻すわねー」
「ああ」

そう言ってあたしは魔術を解除しようとし……
その直前、ゼルフはあたしにこう言ってきた。

「ニンフェウム。お前、あの召え魔をどこで拾ってきたかはわからんが——」
「ん、何よ?」
「……扱いには十分気を付けたほうがいいと思うぞ。お前といい勝負ができそうなほど、アイツも油断ならぬ自由奔放だ」

その言葉に、あたしは思わずニヤリと笑った。

「当たり前じゃない♪この、『紅玉の魔女』サマの栄光ある召え魔を全うしているんだから、それくらい破天荒じゃなきゃやってられないわよー」

……さて、本人が聞いたら全力で否定して思いっきり怒りそうな会話は、ここまでにしますか。

Re: 紅玉の魔女と召え魔の翼 ( No.132 )
日時: 2013/08/29 16:57
名前: アルビ ◆kCyuLGo0Xs (ID: A/2FXMdY)

なんとなーく、アリスのセリフでわかりずらそうだな、と思えた部分があったのでー、

急きょ、アリス先生に解説してもらっちゃおうと思います!
いえ〜いパチパチ☆

アリス「……んで、一人でイタイ感じに盛り上がってるとこ悪いんだけど」

アルビ「あ、ハイ」←

アリス「あんたがフツーに解説すればいいじゃないのーそんなの。めんどくさいわよ」

アルビ「ま、まぁまぁそんなこと言わずに!だって、さえない女の子が字面だけ並べて説明してもなにもおもしろくないし、それよりは登場人物の美女魔導師が説明してくださったほうが……くださったほうがっ、ぐすっ」

アリス「自分で言ってて自分で傷ついたわね。ま、いっか〜。ちゃっちゃと始めるわね」

アルビ「あ、ハイお願いしまーす」(´・ω・`)

-*-*-*-

アルビ「えっとまず、ゼルフさんとの会話に出てきた『霊界』についてもうちょっと教えてほしいのですが……。そもそも、アリスの両親は死んでいるのに、『会える』とかって以前から言ってましたよね?」

アリス「ええ、会えるわよー。『霊界通信魔術』っていってね。まぁ、テレビ電話みたいなのと思ってちょーだい」

アルビ「おおテレビ電話!ハイテクだー(棒 」

アリス「でもね、電話にだって、その受話器が置いてある場所にヒトがいないと、会話できないでしょ?」

アルビ「ふむふむ」

アリス「だからー、霊界通信も、『霊界』って呼ばれる死後の世界にいるヒトじゃないと話すどころか会うこともできないの」

アルビ「え、死んだら誰でもその、死後の世界ってとこに行くんじゃないのですか」(。´・ω・)?

アリス「んなわけないじゃなーい。生き物にはね、生まれた時からみんな気力っていうか……そう、『覇気』を持っているのよ。魔力と似ていたりもするわね」

アルビ「えっとよくわからないけど、オーラ的なモノですか?」

アリス「あーそんな感じ(なんかだいぶアバウトだけどまぁいいや)。それでね、その覇気は、ヒトによって強弱が違うの。んで、死んだ後霊界に行けるのは、その覇気が強いヒトだけなのよ。あ、ちなみにわかるかもだけど、生まれつき覇気が強いヒトっていうのは圧倒的に少ないわよ。天文学的確率で」

アルビ「さ、差別だ……」

アリス「そうとも言えないわよー?覇気は、生きている間に鍛えることもできるから。……まぁ、その鍛え方もフツーのヒトじゃ到底できないような方法だから、結局怪物レベルの度胸と実力が必要になっちゃうけど」

とりあえずその『覇気の鍛え方』は、重要じゃないので今回説明しません(/・ω・)/

アリス「それでねー、あたしのパパとママは覇気が半端じゃなく強いから、死んだ今でも霊界に居座って、のんきに第2の人生だかを送ってるのよ。幽霊生活、ってところかしら」

アルビ「はぁ〜、そうなんですか、すごいですね〜」

アリス「でもね、ゼルフが過去に遭遇した思い出の人たち……ま、どういうヒトなのかは知らないけど、とりあえず大半が人間にいいように殺されたヒトたちね」

アルビ「だいぶアバウトな紹介ですね」

アリス「そのあたりはあんたが気が向き次第番外編でも書けばいいじゃない。で、そういうヒトたちは、覇気が足りなくて霊界に残れなかったのよ。たぶん今頃は魂ごと消滅しちゃってるわね」

…………(しばし沈黙)。

アルビ「……え、転生、とか生まれ変わりとかそういうのっt」

アリス「は?無いに決まってるでしょ。霊界に残れるくらいの覇気を持っていれば、『転生』するかどうかは自由に選べるけどー、そうじゃなければそのまんま『消滅』。跡形もなく消えてなくなってオサラバよ」

アルビ「ええー……。でも、よくある『もう亡くなってしまったあの人によく似ている』とかそういうのは」

アリス「さぁ?たまたま似ていたんじゃないのー」

アルビ「ロマンスのかけらもねぇ……!」

アリス「ほらほらキャラ崩壊してるわよー作者サン」

アルビ「そそそうですか……。まぁ、とにかくだいたいわかりました!説明ありがとでーすっ」

アリス「はいはい。あー疲れた、ライトにお茶でも持ってこさせましょ」

-*-*-*-

と、まぁこんな感じです!

はい、最後までグダグダで意味不ですね!( ゜Д゜)←

なんとなーく、理解してくれればなーと思って作ったのですが……

改めて読み返すとますます意味不ッスねorz

サラリとながしてくれればいいですね、これは(;´∀`)
((ここまで長々と続けといてアレですが))

でわでわ、アリスの霊界講座でした〜っ(=・ω・)/