PR
複雑・ファジー小説
- Re: 紅玉の魔女と召え魔の翼 ( No.20 )
- 日時: 2013/08/01 14:08
- 名前: アルビ ◆kCyuLGo0Xs (ID: 6Ex1ut5r)
13.
ルーガは、懐から短刀を取り出してハウリーに襲いかかった。
全く無駄のない太刀筋で、正確に急所を狙う。
「っ、ぁぶなっ……!」
ハウリーはなんとかそれを避けたものの、近距離に変わりはない。
それを逆手にとり、ハウリーはルーガの短刀を握っている腕に噛みつこうとした。
しかし、ルーガはあえて狙われた腕をハウリーに向かって無造作に振り、
バンッ!!
「うああっ!?」
ハウリーを腕力だけで吹き飛ばした。
ハウリーは森の木のひとつに当たって地べたに座り込んだ。
「いっつう……」
「ハウリー!」
思わず僕は声をかけた。
それに対し、ハウリーは
「う、ウチのことはいいから!ライトは早く逃げろっ!」
と言った。
僕の答えは間髪入れず弾き出された。
「そう言われておいそれと逃げるほど、僕は雑魚ではありませんよ」
「!?ちょっ、ライト!」
成り行きをなぜかいらただしげに見ていたルーガが口を挟んだ。
「次はお前か、ガキ」
「ガキじゃないっ」
答えたのはハウリーだ。
「ブライアント=レノワール、ライトだっ!」
「……ふん、ガキの分際で生意気な名だな」
僕も好きでこんな長い名前を名乗っているわけではないんだけれど。
「アリス」
僕は振り返らずともそこにいるであろう、主に確認した。
「戦うことの許可を。よろしいですか?」
「全然オッケーよ〜あたしその間に逃げるからあとよろしく♪」
「外道の極みですね」
「あたしは『お仕事』があって忙しいんですの♪」
……まあ、とにかく了承は得た。
アリスを「あり得ない」、といった様子でポカーンと見ているハウリーを尻目に、
アリスは逃亡を開始し、
僕は戦闘を開始した。
PR