複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.103 )
日時: 2013/08/05 14:21
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: TM72TTmK)

012 カメルリング王国ルート


「ふーん・・・騎士志望なんだ」ノイアーを抱えたままジョレスはルークの話を聞いた後、そうつぶやいた。
ノイアーは疲れたらしく、人形のようにじっとしたまま聞き耳を立てている。
「そうだなー、騎士になるのはやっぱり難しいだろうな。やつら王族と会う機会が多いから貴族とかじゃないと難しいぞ?」
やっぱりそうか、とルークがちょっと落ち込むのを見て、黙っていたノイアーが顔を上げてジョレスにいう。
「でも傭兵から騎士になったやつだっているだろ。元傭兵仲間がそうじゃないか」
ノイアーの言葉にジョレスがあぁあいつか、と頷いた。
「ミカイロウィッチ帝国に黒騎士として雇われたゼルフだろ?あいつは強かったからなぁ」
まぁそうなって当然だろ、と言った感じで微笑んでいるジョレスに、ルークは目を真ん丸くした。
「え、傭兵仲間さんなのにこれじゃ・・・戦うかもしれないじゃないですか、その仲間と」
「ん?あぁ、だから元ってつけただろ」ジョレスがちょっと奇妙なものでも見るかのようにルークをその緑色の瞳で見つめた。
だがルークのどうして?という顔を見て優しげに微笑みながら説明した。
「傭兵って言うのは金目当てで主人につくのさ。例えばミカイロウィッチに雇われてカメルリングと戦うだろう?でも一端契機が切れたら勝ち目のあるほうにつくことが出来る。契約で動くから仲間と合い見舞えることなんてしょっちゅうだよ」
「シビアなんですね・・・」とルークがつぶやくと、ノイアーがフンと鼻で笑った。
「戦争なんてそんなもんだぞ、自分が正しいと思っても、相手から見ればソレは間違いなんだからな。みんな自分の正しい道を勝ち取るために戦うんだ。それで勝てば自分が正しいことになるからな」
ルークより幼いというのに、ずいぶんと肝の据わった発言だ。戦歴は結構なものなのだろう、世を渡り歩いてきた貫禄が垣間見えた。
少女も言っている、世界は甘くない。むしろ劇薬の味だ。


「・・・僕は平和を望んで戦いたいと思います。この国には僕の大事なものが沢山あるので・・・戦う理由はこんなものですけど、いいんでしょうか」
金目当て、名声目当て、平和を真に望んで戦うものなど少ないのではないか?平和を望んで戦うことによって、結果的に戦争に加担することになる。
笑い飛ばされると覚悟していたが、意外にもジョレスはいいんじゃないのと笑う。
「俺もそんな理由だからな。カメルリング王国を勝たせるまで、ミカイロウィッチには寝返らないつもりだぜ」
「そ、そうなんですか!ご家族とかがこの国に?」
ぱっと顔を輝かせたルークに、ジョレスに抱えられたノイアーが吐き捨てる様にいう。
「聞いて驚くな少年、このロリコンが守りたいものとはカメルリング王国の王女、フランチェスカ様なんだ。しかもこのロリコンの出身国はミカイロウィッチで家族もそっちにいる」
「え」
ロリコンだけどすごい人なんだな、と尊敬しかけた矢先、ノイアーの暴露で尊敬度が急激に下がる。
だがジョレスはふっと笑って熱く語りだした。
「当たり前だろ、フランチェスカ様は心優しい少女だぞ?カメルリングが戦争に負けたら嘆き悲しむに違いない!あんな少女を泣かせるんならミカイロウィッチのお転婆皇女を泣かせて、ついでに捕虜という名の拉致をしたほうがいいだろ!」
「ほんとロリコンですね」「だろ、こんなロリコン見たことないだろ」
ルークとノイアーが意見一致してお互い何か良くわからない結束力で結ばれる。
だが、どんな理由にしろ、この国を勝利に導きたいという志は同じらしい。
傭兵もいいかもしれない、とルークは心の中でぽつりとつぶやいた。


ロリコン楽しすぎるロリコン!