複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.114 )
日時: 2013/08/06 21:58
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: aTTiVxvD)

011 ミカイロウィッチ帝国ルート


「あたしが、弓兵?しかも、あなたたちの仲間・・・?」
拷問部屋で五人の知らない人物達に取り囲まれたまま、机に腰掛けているエディはぽかんと口を開けた。
冗談?いや冗談を言う場面ではないから、本当のこと?
すると、黙っていた若草色の髪の少女が、すっと一歩前に出てきて槍を抱えながら小さな声で言う。
「仲間なら・・・私はイヴ。・・・仲良くしてください」
イヴと名乗る少女は微笑みながら握手を求めてくる。エディはイヴほどすばやく状況が飲み込めず、おどおどしながらとりあえず握手を仕返す。
エディが握手を返してくれたことで、イヴがほんのちょっと嬉しそうに顔をほころばせた。
「あの、ちょっと状況が飲み込めないんだけど誰か説明を—」
「俺はクウヤだ。クウヤ・ウェルト。イヴの兄だ、よろしくな!」
エディが困惑したように誰かに状況説明を求めようとすると、イヴの横に立っていた翡翠色の髪の青年、クウヤが飄々と笑いながら片手を差し出す。
「あ、えっと・・・よろしく」イヴの兄とも握手をすると、それじゃあ次ボクの番だよね、と白衣少年ツヴァイが長い白衣の裾をめくって手を差し出してきた。
「ボクはツヴァイ・エレクトリック。見たところ怪我してるみたいだし、ボクの作った薬あげようか?」
ツヴァイは空いた手で白衣の中からさっとシップ薬を取り出す。打撲箇所に張ったらすぐ治りそうだが、ツヴァイの妙にニヤニヤした顔を見ると信用できない。なにか妙な薬を服用されそうで、いつの間にか実験動物になっていそうで恐い。
やんわりと断ると、ツヴァイはひどく残念そうな顔でその薬を白衣の中に仕舞いこんだ。
どうやらこの場にいるすべての人物の自己紹介が終わらないと、状況説明はしてくれないらしい。
エディは大人しく差し出された手を握る。
「アタシはアーリィ・メルキオーゼ。偉大な魔女だからよろしく!」
にっこり笑顔で言うアーリィは背伸びしながらエディの手を元気よくブンブンと振りながら握手をした。
思った以上に気さくなアーリィに、エディは思わず疑問をぶつける。
舞踏会会場で的を運んでいる最中に、バンダナ青少年が言った言葉が気になってしょうがない。
「・・・あの、年齢が三桁って—」
「ん?なーに?何か言った?」エディがその問いを口にすると、アーリィは口元に笑みを浮かべたまま、だが赤い瞳をぎらつかせてエディを見る。
「あ、なんでもないです」思わずそう口走るほどの迫力の笑みに、エディは気圧されて笑って誤魔化す。
「ふーん、そう」アーリィはにっこり微笑むと、やっとエディの手を離した。
最後にバンダナ青少年が手を差し出しながら言う。
「俺はヴィトリアル、帝国公認の盗賊団団長さ。まぁ、今からお前の上司になるわけだが、ちゃんと敬えよ?」
「・・・あ、あのぅ・・・状況説明をして欲しいんですけど」
一応すべての人の自己紹介と握手を受けた後、エディは辺りを見回しながら言う。
「あたしシェリル皇女様の気分を損ねて、それで拷問されて殺されるんじゃないんですか?」
エディがそういうと、アーリィがおかしそうに笑う。
「その逆よ。アンタはシェリル皇女に気に入られて、シェリル皇女の設立した部隊の一員になったんだよ。拷問にかけるわけ無いじゃない!」