複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.118 )
日時: 2013/08/07 13:12
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: aTTiVxvD)

013 ミカイロウィッチ帝国ルート


どうしよう・・・お嬢様が何処かへ連れて行かれてしまった。
リンは舞踏会会場で血の気の失せた顔のまま硬直していた。もうすぐこの舞踏会の目玉といっていいほどの演目、剣の舞があるのだが、リンはそれどころではなかった。
「!・・・シュナイテッター伯爵様!」丁度視界に探していた人物が見え隠れして、リンはメイド服をひらめかせながらその人物の元へ小走りで駆けつけた。
皇女の部下らしき二人組みに連れて行かれた被害者の父親だ、彼も相当取り乱しているだろうと、リンは落ち着かせようと声をかける。
「シュナイテッター伯爵様、エドウィンお嬢様は一体・・・」
「・・・」シュナイテッター伯爵はワイングラス片手に、青ざめてリンを見つめた。彼は彼なりに打撃を受けたらしい。
落ち着かせようと差し出されたリンの手を、伯爵は震える手で握り返す。
「きっと、大丈夫ですよ伯爵様・・・私皇帝のものに知り合いがいるので話をうかがってみますから」
「あぁ・・・頼む・・・」
ソレしかもう頼れるものが無いというように、シュナイテッター伯爵は青ざめた顔で何度も頷いた。
いつも金儲けの強迫観念に囚われて強情で勝気な伯爵の変わりように、リンは心の底から不安に駆られた。
私に出来るのは剣の舞を終えたゼルフにお嬢様の消息を尋ねることだけ。
残念ながら赤い玉座に座っていた皇女は数分前に席を立っていた。だが畏れ多くとても尋ねる勇気がわかない。
あとは、ゼルフが来るのを待つだけ。ごくりとリンはつばを飲み込むと、胸の前で両手を組み合わせて祈るように待った。


主人公以外の視点から書くの初めて・・・?