複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.123 )
- 日時: 2013/08/07 17:34
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: aTTiVxvD)
016 カメルリング王国ルート
「・・・っ?!」
突然の闖入者に驚いて、フランチェスカ王女が淡く青色に輝く長いすから立ち上がると、彼女の長い髪に取り付けられた髪飾りが異常なほど真っ青の光を放つ。
それを見てユニートは仲間をかばうように黒い本を広げて何か聞き取れない呪詛を叫んだ。
信じられないほどの衝撃に、ルークたちはそろって耳をふさいだ。ラグは卒倒し、ミルフィーユが慌ててラグを抱き寄せる。
ジョレスとノイアーは反射的に武器を構えていた。
攻撃された—・・・そう分かったのは爆音が鳴り響いてからしばらくしてだった。
攻撃されたのにダメージを受けていないのは、ユニートが黒い本から魔力を引き出し、呪詛によってシールドを張ったかららしい。
ドーム状のあわいシャボン玉のようなシールドがなかったら、即死していたかもしれない。
「・・・っし、死ぬかと思った・・・」するとシールドを張った張本人、ユニートが額に玉のような汗を浮かばせて、本を抱えたまま膝を付く。
かなり精神的に来た様で、動悸が乱れていた。
「すげぇな、これ」と別に焦った様子のないジョレスが、双剣でシールドを柔らかくつつこうとすると、不思議なことに剣はするりと何の抵抗も無く貫通する。
「し、シールドは魔力を介するものを弾く事が出来るんだ・・・でも魔力をもたない物質については貫通することが出来る」
ユニートが荒い呼吸の下から説明してくれる。だが今そういう状況じゃないだろ、とルークは突っ込みたくなった。
はやく何か王女に弁解しないと、攻撃の第二波がやってくるかもしれない。
慌てていると、シールド越しに、かなり王女が怯えているのがわかった。ノイアーやジョレスが武器を構えているからだろうか?
「な、なにものだっ」
突然ルークたちの背後から鋭い声が上がる。
はっとして振り返ると、二人の男がそれぞれ武器を構えながら階段を降りてきていた。
一人は黒い牧師服に身を包んだ肩までの金髪の青年。この修道院の牧師だろうか、胸元に純白の十字架をぶら下げている。
あまり戦いは好きではないのだろう、抜かれた長い刀身の剣をもつ手が震えている。
だが一方でもう一人の銀髪をゆるく三つ編みにしてたらした男、牧師よりも年上風の肌の浅黒い男は、真っ黒の、そのままハンマーとして利用できそうなメイスを所持しており、それを構えるようにルークたちに向けていた。
緑色の民族衣装には十字架がぶら下がっていないため、この人は少なくとも牧師と同じ神を信仰しているわけではなさそうだ。
その二人を見ると、フランチェスカ王女の不安げな表情が明るくなる。
白いゆったりしたスカートの胸元に手を組み合わせた王女は、怯えるようにルークたちから後ずさる。
「キリエ牧師様、リグ僧侶様!こ、このお方達は一体・・・?わたくし、驚いて魔法攻撃をしてしまいましたが・・・」
「王女様の魔法攻撃の音だったんですか・・・世界が滅びを向かえる音かと思いましたよ。とにかく、王女に害をなすものは抹消しないといけませんね」
物騒なことを口走ったリグ僧侶がメイスを振り上げると、厳しい顔のままつぶやく。
「シールドも魔法攻撃を絶え間なく受け続ければやがて壊れますからね。聖域で王女を襲うとどうなるか、わかってもらいましょう」
きりがいいのでちょっとここでカット!