複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.127 )
- 日時: 2013/08/07 18:27
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: aTTiVxvD)
017 カメルリング王国ルート
「そうは、いかねぇっぜっ」
メイスを振り上げて呪詛を唱えるリグ僧侶に、ユニートの半円形のシールドの内部にいたジョレスが双剣を構えて飛び掛る。
頭めがけて激しく振り下ろされる剣を黒いメイスがすんでのところで受け止めるが、剣の勢いにリグ僧侶は思わず息を止め、呪詛がとまる。
忌々しそうにリグ僧侶が両手でメイスを支えて、体重のかけられた剣をふせぐが、ジョレスは不敵な笑みを浮かべたままもう一方の手であまった剣をその身体に叩き込もうとする。
が、キリエがそれを妨害し、長い刀身の剣ミセリコルデでジョレスの剣をはじき返す。
ミセリコルデは代々教会の牧師やシスターが所持する剣であり、一直線に鋭く針のように尖る長い刀身の剣だ。
相手に痛みを与えることなく殺す、いわゆる慈悲の剣として有名であり、造られたその日から聖水に浸され、牧師たちの祝福を壊れるまで受ける清らかな剣なのだ。
はじかれて飛び退るジョレスは、床に着地すると共に片足を軸にしてはじかれた勢いをそのまま利用し、振り返り様にリグ僧侶に再び切りかかる。
二つの剣が遠心力を利用して、勢い良く空を切る。
金属同士が激しくぶつかり合う音に、ルークははっと我に帰った。
正しくは金属音にではなく、ベルトから果物ナイフが抜かれたことで我に帰ったのだ。
みれば、鎌を背中に背負ったノイアーがルークの唯一の武器、果物ナイフを構えてジョレスに助太刀しようと、シールドから飛び出そうとしていた。
残念ながらノイアーの鎌は広いところだと広範囲攻撃ができるが、狭いところだと味方を切りかねない上に、振り回すことが出来ない。
「私も混ぜろ!」そう叫んで残忍な笑みを浮かべたノイアーを止めようと、ルークが果物ナイフの塚を握るノイアーの手をつかんだ瞬間。
凄まじい衝撃と共に、ルークとノイアーは果物ナイフを挟んで吹っ飛ぶ。
ノイアーはシールドの外に、ルークと果物ナイフはシールドの内側に、それぞれしりもちをついた。
「う・・・な、に?」
ルークは果物ナイフを拾いながら強打した背中をさすりながら辺りを見回す。
リグ僧侶かフランチェスカ王女が攻撃魔法を唱えたのだと思ったのだが、王女は戦意喪失・リグ僧侶はジョレスとの戦闘のため呪詛が唱えられない。
と、ユニートがビックリしたようにルークを眺めた。
「君・・・魔法を使った?」