複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【オリキャラ募集】 ( No.15 )
日時: 2013/08/01 02:34
名前: メルマーク (ID: TM72TTmK)

002 カメルリング王国ルート


「名前、年齢、身分、王国首都及び外城に入る理由は?」
真夜中だというのに、カメルリング王国の税関の門番ははつらつとした口調でハルバートを構えながら言った。
ハルバートとは斧の槍版で、早く言えば柄の長い斧のことだ。
「ルーク・ブランドリス、十六歳・・・」十六歳というところでピクリと門番が眉を動かす。じろりとその目が、ルークの小柄な体躯とその童顔を眺める。ルークは内心むっとしながらも先を続けた。
「身分は一般人、羊飼いです。王国郊外から王都に来た理由は、騎士志望だからです」
「ふむ・・・良いだろう通れ」
しばしの沈黙の後、門番はルークの王都入りを認め、重々しく交差していたハルバートをあげた。
ほっとしたルークは門番の間を通り抜け、夜の静かなレンガ造りの城壁の中を歩いていく。

10メートルほど進むと、分厚い城壁の内部に完全に入り込み、そこから開けた町並みが見えてくる。
円形の噴水があり、立ち並ぶ民家。それらの最奥には月に照らされてかすかにつやめくようなカメルリング城がうっすらと見える。
「すっご」思わず感嘆し、当りに目を向けるルーク。
ほとんどは明かりがついていないが、宿屋や酒場は明かりが灯っており、疲れた旅人を誘光灯のように誘っている。
美しい町並みだが、ルークは見て回る前に、腹の虫を黙らせる為にと、さっそく酒場へと向かった。