複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照四桁ありがとうございます! ( No.183 )
- 日時: 2013/08/15 16:19
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: aTTiVxvD)
016 ミカイロウィッチ帝国ルート
ミカイロウィッチ帝国は海と鉱山の樹海とに囲まれた国である。
その海は鉱山の中間まで延びており、樹海を渡るよりは船で進んだ方がカメルリング王国に行きやすいのだ。
その夜の海を、静かにすべるように進む一艘の船があった。
小ぶりのその帆船のなかで、舵を握っていた船長が部下達をどやす。
「あと二十分ほどで陸につくぞ。寝てるやつをたたき起こせ!」
船長の命令に従い、部下の乗組員が甲板で寝転がる者の肩を揺らす。
だがほとんどのものが起きており、景色の見えない航行によって内耳の渦巻き管の内部にあるバランスをつかさどる液体に影響を催し—否、完全に酔って撃沈していた。
「うわー・・・ちょっと、肩揺らさないで吐くから」
おい、起きろと肩を揺らされてアーリィが悲鳴を上げる。
そしてピンクの杖で乗組員のすねをたたこうとするが、酔っているため元気が出ずにさらりとソレを避けられる。
「何だみんな酔ってるのか?貧弱だなぁ」その乗組員の言葉に、不機嫌そうにうつむく盗賊団だったが、酔っていないものは二人いた。
さっそくプライドの高い彼が口を開く。
「失礼ながらわたくしは酔っていませんよ。船旅など、幼少の頃から飽きるほどしたのでね」
貴族出身の貴族騎士シフォンが、金色の軍服姿で腕を組む。
今回は盗賊団がかなり皇女によって手を入れられて編成されたため、見知らぬ顔がいる。
貴族騎士シフォンと黒騎士ゼルフが仲間となり、その代わりにイヴとクウヤ、ツヴァイが皇女のもとに残ることになった。
皇女いわく、王国に幻術師を所持していることを知られたくないのだそうだ。ツヴァイは怪我をされると困るので待機だということらしい。
アーリィは王女の魔術に対抗するため、ヴィトリアルは現地にすでにいる部下と合流するため、エディは腕試し、二人の騎士は彼らを死なせないための護衛ということらしい。
騎士の彼らは今現在進行中の剣の舞に参加するはずだったのだが、皇女の命令により剣の舞に参加せず、カメルリング王国へ乗り込むための作戦に参加している。
リン楽しみにしていたのになぁ、とエディは顔色悪くそんなことを考えていた。
数分後船が浅瀬に停泊し、盗賊団+騎士は夜の樹海に降り立った。
灯りも何も無い不気味なこの森はかつて、帝国兵士が100人ほど犠牲になった森である。慢性的な記憶喪失と不審死などが多い、帝国にはひどく不気味な森である。
だがそんなことを知るものはこの場にはおらず、盗賊団+騎士はすぐに王国を目指して歩き出した。
やっと本編に戻ってまいりましたねー