複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照四桁ありがとうございます! ( No.197 )
- 日時: 2013/08/17 17:11
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: LGWwjQHc)
022 カメルリング王国ルート
「なんだ?!」
ルークは雷の炸裂音に驚いて振り返り、夜空を彩るように真っ青の電光がうねるように空を差すのを見て唖然とした。
白い修道院のとある一室から電光が放たれていた。それに反応してか、果物ナイフが青の混じる紫色の光を放つ。
フランチェスカ王女が何かに驚いて魔法攻撃をしたのか、それとも何かに奇襲されて攻撃をしたのかそれはわからないが、ルークは曲がりなりにも魔法剣の果物ナイフをベルトから引き抜いてその部屋めがけて走った。
「あ、まって!」背後でシスターが声を上げるがルークは耳を貸さずに走るが、数歩先に矢が突き刺さることで足を止めた。
ルークが振り返ると、シスターは頭巾であるウィンプルを剥いで、何処から取り出したのか弓を構えていた。
褐色の髪をポニーテールにした、水色の瞳の少女だった。
「あなたそれ、なに?」その少女が、弓を引き絞りながらたずねた。
それ、とはルークの手にした果物ナイフのことだろう。
「なんでそんな光ってるの?」彼女が興味津々そうに再び疑問を口にすると、ルークは首を振る。
魔法剣である果物ナイフに関して、ルークはまったく良くわからない。
突然魔力の込められたナイフと断定されて、そして女王の放電に反応してこうして淡く光る。この程度しか知らないルークはあえてソレを武器を向けてくる少女に教えるつもりは無い。
殺さずにたずねてくる彼女はこの魔法剣が何か知らない、つまりフランチェスカ王女の魔法剣フランベルジュの存在も知らないということになる。礼拝堂の目立つところにおいてある聖剣を知らないなど、絶対にこの修道院のシスターではないはずだ。
「あなた誰ですか、シスターじゃないですよね?樹海のそばの弟を見たというなら・・・もしかして帝国の・・・手先?」
ルークが推測を口にすると、水色の目の少女はむっと口を結んで黙り込む。そして質問に答えることなく「そのナイフがなんなのか教えなさいよ!」とすごんでくる。
「イヤです」と拒否してにらみ合うと、再び落雷の凄まじい音が響き、建物すべてが落雷の衝撃でぐらりとゆれ、ルークと水色の目の少女はバランスを崩し、床に両手を着く。
その隙にルークは脱兎の如く走り出し、弓を連発されないように建物内に逃げ込んだ。
「あっこらまて!果物ナイフ男!」と背後で彼女の怒号が聞こえるが、もちろん足を止めずにナイフを掲げながら走る。
目指すは王女の部屋。この場にユニートがいないのが歯痒かった。
エディとの遭遇 そして包丁少年はルークのアレ