複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照四桁ありがとうございます! ( No.214 )
- 日時: 2013/08/21 13:16
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: aTTiVxvD)
026 カメルリング王国ルート
修道院の中心に位置する礼拝堂で待機していたルークは、自分の果物ナイフについての謎を少し聞いてみることにした。
「この果物ナイフ、王女が魔法攻撃をすると光るんです。魔法剣は魔法に反応するんでしょうか?」
ルークがたずねると、ユニートはルークのベルトから果物ナイフを取り上げ、掲げるように持ち上げた。
だが、光らない。
「これを読んでみてごらん」
眉間にシワを寄せて光らない果物ナイフを眺めていたルークに、ユニートが彼の武器である黒の魔道書を差し出した。
先ほどユニートが魔道書を開いたときと同じように、ルークには本を逆さまにしようが読むことが出来なかった。
「読めません。滲んでたり記号だらけで・・・」
「僕と同じ魔導師の君だけど、僕は魔道書を、ルーク君は魔法剣を扱う。いくら同じ魔導師の一派でも、分類が違うからね。使えないんだよ」
へぇそうなんですかとつぶやいたルークに、ユニートは果物ナイフを返しながら言う。
「その果物ナイフが王女の魔法攻撃に反応するのは同じ属性の魔力を感じるからなんだろうけど・・・むしろ王女に作られたから、という事かもしれないね」
ナイフがルークの手に渡ると、すぐに紫色の光を帯びる。その紫色の光に照らされながら、ルークは怪訝そうに顔をしかめた。
「王女に作られた?どういうことですか?これはずっと僕の家の台所にあったんですよ?」
むしろ魔法剣として発覚したのは、王女と始めて対面した昨日だ。家にいたとき手にとっても紫の電気を放つことはなかった。
「確かにそのナイフは魔法剣だけどかなり微弱なものだった。その証拠に、王女と対面した際に魔法剣だと発覚したあの時、君がそのナイフを持っても光らなかったろ」
「言われてみれば・・・ん、あれ?・・・いつから光ったんだっけ?」
ルークはそのときのことを良く覚えてはおらず、首をひねる。確かに魔法剣と発覚したのは王女と対面した直後だった。
だが紫色の光りだしたのはいつだったか・・・覚えていない。気付いたら光っていた気がする。
するとユニートがやれやれといった様子でメガネを拭きながらため息をつき、呟く。
「君が王女と一緒にフランベルジュを引き抜いたとき、だったろ」
そうでしたっけ?そうだよ!というやり取りの後、ユニートがメガネをかけながら続けた。
「あの時、君とフランベルジュの雷属性の魔力がナイフに纏った。更に王女がフランベルジュに触れて盛大に魔力が放たれた。その凄まじい雷属性の魔力が君の魔法剣にも宿ったから、フランベルジュのように触れると光るようになったんだ。王女の雷属性の魔力もそのナイフの中に宿っているから反応するのだと思う」
「へぇー・・・」
王女の凄まじい魔力がオーバーラップしたため作り出された果物ナイフは、王女の力でいわば血統証付きの魔法剣フランベルジュの義兄弟となったわけだ。
感嘆していると、突然外から悲鳴に似た炸裂音が聞こえてきて、ぐらりと地面が揺れるような衝撃が走る。
頭上の白い十字架がゆれ、息を呑んで目を見開き、辺りをうかがう。
一体何が起こったのだ?
魔導師の定義は
魔導師は魔術は使えないが、魔力を介した物を利用してソレを使うことが出来る。
だがたとえ同じ魔導師の一派だとしても、相性の合わない物の魔力は利用できない。
魔導師は魔術師達と同じように7属性を使うことが出来る。
魔導師魔術師は一貫してひとつの攻撃属性を極めるため、得意な属性以外は攻撃力が弱まる。
攻撃属性にはそれぞれ禁忌の呪文があり、それらを越える最大の禁忌の呪文がどこかにあるという。
攻撃魔法属性 炎・氷・雷・風
補助属性 闇・光
癒し属性 土
詳しい属性別の定義はのちほど!