複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照四桁ありがとうございます! ( No.238 )
- 日時: 2013/08/25 18:25
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)
027 ミカイロウィッチ帝国ルート
『 ヴァレンフレア 』
叩き付けるように杖を振り回し、高らかに放つ呪詛。
杖より放出された炎が爆発的な威力で、瓦礫を粉砕しながらリグレットへ向かう。
それをリグレットはたった一言『 ウォルフ 』と叫んで暴風を起し、相殺する。
打ち消すことの出来なかった炎の塊や瓦礫の破片が、雨の様に辺りに降り注ぐ。
「いい加減に戻ってきなさいこのきかん坊!」
突然、その攻撃的な雨の中を一人の男がアーリィめがけて走ってくる。
次なる呪詛を発動させようと杖を振り上げていたアーリィは、その人物を見て驚きに目を丸くした。
「シフォン!何やってんの危ないわよ?」
尖った石の雨がシフォンの額にあたり、うっすらと血が滲む。
ソレをイラついたように押さえながら、シフォンは怒鳴り返した。
「置いて行きますよ?まったく、王女の部屋から逃げる際も因縁の相手を見つけた等わけのわからぬことを言って戦闘を始めて・・・」
「・・・『 シャイド 』!」
シフォンが黄金の剣を振り回しながら言う間も、アーリィとリグレットは呪詛のやり取りをしていた。
カマイタチがリグレットから放たれると、瓦礫や地面をえぐりながら巨大な風の刃は二人に迫る。
「っ・・・『 シールド 』」
舌打ちしながらシフォンもろともシールドで保護したアーリィは、悔しそうにリグレットを眺めた。
8年間このときを待った。こてんぱんにしてやろうと思ってたのに・・・。
「〜〜〜っ!わかったわよ、帰りましょ!」
今は皇女の任務遂行を優先すべきだ。
「今回で一番まともな発言でよろしいことで!」
そう憎まれ口をたたいたシフォンはアーリィを回収し、カマイタチが収まると同時に解かれたシールドの外へ駆け出した。
刺されたエディが得転ぶところまでくると、シフォンはエディを抱えながら叫ぶ。
眼下にはゼルフが、不気味なほど寡黙な少年と対峙する光景がある。
「早く撤収しますよ!そんな少年放って置きなさい」
ひらりと跳躍し、そのままヴィトリアル団長とライヤが待つ場所へと走ろうとするが、寡黙な少年が襲い掛かってくる。
執拗にエディを狙っているらしく、抱えた彼女は身震いした。
エディを狙う剣をゼルフが受けとめ、その間にシフォンたちは悠々と逃げ去る。
早く団長と合流しなければ。
背後から追手の怒号が聞こえ、シフォンは全速力でその場を離れた。