複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【さらにオリキャラ募集中】 ( No.31 )
日時: 2013/08/01 17:40
名前: メルマーク (ID: TM72TTmK)

005 カメルリング王国ルート

しばらくミルフィーユの後について歩いていくと、やがて王都の大通りに出た。民家街にくらべると、家の大きさも庭の広さも変わってくる。
心なしか、足元のタイルまでワンランク上の素材が使われているような気がした。
そんな邸宅街でふとミルフィーユが足を止める。そしてあるひとつの大きな館の前でくるりと振り返り、言う。
「ここだよ。ようこそ我が邸宅へ」
「え・・・本当ですか?ここですか?」
首が痛くなるほど見上げて、驚愕する。ルークの実家の数倍もあるこの館が、こんな頼りなさそうな人の家?
庭だって、むしろルークの実家より広い。いろいろなガラクタが摘んであるが、夜のため良くわからない。
発明家であるから、失敗作か素材なのだろうか・・・?
「ところで重要なことを忘れていたよ、少年、名前は?」
館を凝視していたルークは慌てて名乗る。そういえば名乗ってなかった。
「ルークです。ルーク・ブランドリス、です」
「私のほかに、あと一人館に住んでいるやつがいるんだよ。いわゆる執事だね、秘書だね」
執事・・・?とそんなものにまったく縁がないルークは目を丸くする。
ミルフィーユはそんなルークの前を素通りし、上品な扉のドアノッカーを三回鳴らした。
「はい、ただいま」するとすぐに声が聞こえてきて、ドアが開く。
ミルフィーユの顔を見ると、ルークよりも小柄なその少年はにっこり笑って頭を下げた。
「お帰りなさいご主人様。そちらの方はお客様ですか?」
「うんただいま。お客というよりは、家族かな」
ん?という表情をした後、その少年はルークの顔を見つめた。
ルークの方はこの小さな子供が執事だという事実が受け入れられず、なん往復も少年執事からミルフィーユに視線を移した。
「・・・お弟子様が見つかったんですねご主人様!僕はご主人様の執事をしております、ランス・アームストロングと申します。あ、立ち話はいけませんね、中へどうぞ」
あ、はい、と返事をして、ルークは少年執事について館の中へ入った。
なんだかちょっと頭が混乱していた。