複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照3000ありがとう御座います! ( No.347 )
- 日時: 2013/12/24 23:59
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: rl7iLZf7)
042 カメルリング王国ルート
焚き火へと歩み寄るツバキを迎えたのは、二人の聖職者風の男達。
銀の髪を編みこんで首元からたらした幸の薄そうな、ツバキとはいくども面識ある長身の男と、あまり見たことのない牧師服に身を包む金髪の青年。
ツバキは二人を眺め、どうして聖職者が馬を飛ばしてまで自分をたずねてきたのかが理解できないと言うように首を傾げる。
そして一応異教徒仲間として面識のある、薄幸僧侶に尋ねた。
「主さま、わっちにいったいどんな御用が・・・・・・?」
ツバキの言葉にうん、と頷いたリグ僧侶はツバキに座る様促した。
ツバキが焚き火の前に腰を下ろすとノイアーとジョレスも焚き火の前に舞い戻り、三人の話の邪魔にならないよう黙ったまま好奇心の目を光らせている。
そんな中口火を切ったのは、深刻な顔をしたキリエだった。
赤い炎の舐めるような灯りの中で、彼らの背後にある影がゆらゆらと躍っている。
「はじめまして私はキリエと申します、この国の聖職者で先日まで修道院で祈りをささげていた身であります」
「それはそれは・・・ご丁寧に。聖職者様におみ足を引かせてしまって・・・大切な祈りの時間を割いてしまって—」
ツバキが心底申し訳なさそうに頭をたれると、キリエはいいえと首を振る。そして何か決意したように足元に放り出していた布の塊をぎゅっと握ると、口を開いた。
「祈りなんてもうどうでも良いんです!私は、コレで・・・祈りの代わりに国のために役立つことにしたのですから!」
いいながら、キリエは布にくるまれたミセリコルデを膝の上にのせた。
突然の剣の出現にツバキは目を丸くし、ジョレスやノイアーが反射的に唸るように低く呼吸する。
不意打ちには十分な場面状況だっただろうが、もちろんキリエは襲撃が目的ではない。
なのでその聖職者のみが扱うことの許された慈悲の剣を膝に、驚いたツバキに畳み掛けた。
「私を、私をあなたの傭兵団へ加えて下さい!」
なぜ聖職者が—しかも今も首から白い十字架をぶら下げた敬謙な聖職者がこんなことを言っているんだろう?とツバキはあっけに取られて考えていた。
ツバキの故郷和の国では聖職者、和尚様は戦うことはなかった。武器はなく、すべての俗世とのかかわりを離れひたすらに悟りを追求する人たちであり、そもそも祈ることはなかった。
死後の人々をなぐさめ、その魂が安らかになるために仏と霊と対話するためにお経を読むことはあったが。
ここの国では聖職者は戦ってもいいんだろうか?などと考えながら、ツバキはどうして良いかわからずリグ僧侶を見た。
異教徒仲間であり、ツバキよりも長くこの土地に住んでいるためこの土地の宗教にも詳しい。どうすれば良いかたずねようと思ったとき—。
「私ももちろん戦うことにします。戦争に・・・参加することにするんです」
ツバキの視線が、あんたはどうするの?とたずねていると思ったのか、リグ僧侶はそんなことを口走った。
「もともと治癒専門なんですが、この戦争で世界が滅びる可能性もあるので、私も早く戦争を終わらせるために参加するんです」
ちょっとため息混じりにぼやくように言うリグ僧侶を見て、ツバキは少し悩んだ後、頷いた。
リグ僧侶は一応聖職者。その彼が戦うことをこんな簡単に言うなら、きっとこの国の聖職者は簡単に戦争に出てもいいんだ・・・。
なにより戦争が間近になり国が兵士を渇望していたので、ツバキはいいほうに考えていく。
そういう風に勘違いしたツバキは傭兵団長という権限において、焚き火の前で新たな傭兵を一人、仲間に加えたのだった。
挫折のでぃーさん
こんばんは!ノイアーちゃんかわいいですありがとう御座います!!
現在の状況(時間軸まとめ?)は>>234をご覧ください!
モンブランさん
こんばんは!ヨメナイヤツにもこの戦争は止められません・・・止まったらこの話が終わりますw期待してくれてありがとう御座います!
ほったらかしてすみません
冬休みに入りまして時間は取れるようになりました
終わりまでの明確な骨組みはすでに確定済みなので終わるとしてもぐちゃぐちゃで終わることはないです・・・きっと