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複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ?【第一回オリキャラ募集ストップ】 ( No.50 )
- 日時: 2013/08/02 19:53
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: TM72TTmK)
003 ミカイロウィッチ帝国ルート
「あ、そうだ」ベットに寝転がってエディはマフィンをほおばりながら言う。
傍の椅子にはリンが腰掛けて、編み物をしている。
ここはエディの部屋であり、灯りとして小さなシャンデリアがぶら下がっている。
どうしました?とリンが穏やかな声でエディの顔を見た。
「明日の舞踏会、ゼルフさんも来るって」
「え」
ほのかな笑みをたたえてこちらを見ていたリンの手から、ぽろっと編み物が転げ落ちた。
続いてにじむように顔が赤く染まり、ぱっと立ち上がった。
「ほほ、本当ですか?!」
そんなに喜ぶんだ、とエディがあっけにとられて頷くと、リンは花が咲くようににっこりと幸せそうな笑みをたたえた。
「そうですか!勤務中にもあえるなんて幸せです!いっつも、今忙しいとか言って冷たいんですよ!で、でも休みのときはちゃんと優しくてですね・・・」
聞いてもいないのにのろけ始めたリンをとめようとはせず、エディは苦笑しながら見守った。
ゼルフとはリンの恋人で、ミカイロウィッチ帝国の騎士だ。騎士といってもただの騎士ではない。
帝国の誇る黒騎士部隊の中でも、まだ18歳と若いのに一番の剣豪であり、敵国からは黒の鬼神の異名を得ている。元は傭兵であり、腕を買われて帝国の騎士になったという。
そんな黒騎士は、明日の舞踏会で剣の舞をすることになっている。お転婆な帝国の皇女様が演目を組んだためだ。
そんな剣豪のゼルフに、エディはやきもちを焼いていた。
エディが毎回、リンにいつか家を抜け出すときに一緒に来てほしいと誘いかけても、リンは明確な返事をしてくれない。
それは恋人のゼルフを置いてはいけないから無理だ、という意味であり、エディはそのたびに拗ねていた。
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