複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.67 )
日時: 2013/08/03 13:43
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: TM72TTmK)

007 カメルリング王国ルート


それから二十分ほど、ルークはミルフィーユからこの館について聞かされていた。
この館には住人が三人。料理はラグが担当するか、何処かへ食べに行くこともできる。館内どこでも発明はしていいらしく、床の隅には工具品やガラクタがすでに積みあがっていた。
「さてそれじゃ、君の部屋に案内するよ。まぁ、しいて言うならこの館内は我々家族の共同部屋みたいなもんだがね」
のんびり歩いていくミルフィーユにしたがって、ルークはふらふらとついていく。現在もう深夜もいいところ、後数時間もすれば日が昇ってしまう時刻なのだ。
死んだような目をしたルークは隣を歩くラグを見てみた。十代そこそこの幼いラグだってきっと眠いはず・・・と思っていたのだが、ラグの緑の目はパッチリ開いている。
「おぉっ、こんな真夜中なのに眠くないんだ」
思わず驚きの言葉が口をついて出ると、ラグはにっこり笑った。
「ご主人様の発明に付き合って最大五日寝なかったことがありますからね!もう慣れてしまいましたよ」
「五日丸まる徹夜とか・・・僕は一日徹夜でもきついのに」
何気にすごい精神力を持っているんだな、とラグに対する印象が変わり、こいつはできる!とルーク内で格付けされた。

「一応ここを予定してるけど、床でも、廊下でも、階段でも好きなところで寝てくれ!」
選択肢にまともなところが無いのはさておき、ルークは目を輝かせて自室を見た。
確実に実家よりも広く、上流階級の部屋に必ずある家具一式が壁に並んでいた。
「すごい・・・」吸い寄せられるようにルークは天蓋付ベット近づいていき、その天蓋に覆われたふかふかのシーツに触れる。
ベットに触れた途端睡魔が襲ってくるが、お礼を言わなくては駄目だ。
「あ、ありがとうございます」というルークの言葉に、ミルフィーユは首を振る。
「いや、お礼をいうのはまだ早いよ。正式な弟子になったらそれを言ってくれたまえ。それじゃあおやすみ」
あぁそうだったっけ、とルークは我に帰った。僕は騎士になるんだった危ない危ない。釣られてたまるかっと意気込むルークだったが、こんな良い境遇を、なれるかも解らない騎士のために無くすのも惜しい気がした。