複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.68 )
- 日時: 2013/08/03 14:37
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: TM72TTmK)
008 カメルリング王国ルート
翌朝すぐに、ルークは爆音にたたき起こされた。
とんでもない大爆発音に、戦争が始まったのかと思ってベットの上に飛び起きたルーク。そのまま分けがわからず硬直していたが、すぐベルトの果物ナイフを抜いて、音の発心まで走った。
靴を脱いで寝たため、裸足で廊下を走る。
しばらくすると廊下の曲がり角からもくもくと茶色の煙が渦巻いているのが見え、ルークは足を速めた。
そして果物ナイフを持つ手に力を込めて、半開きの扉を蹴りで開けた。
ばたんと乱暴に蹴破られた扉の先では、煙の渦の中に、ミルフィーユとラグがおり、二人とも目を真ん丸くしてルークを見つめていた。
「・・・ど、どうしたんですかルーク様。な、ナイフなんて持って」
沈黙してお互い見合っていたが、ラグがおどおどして声を上げた。続いてミルフィーユが言う。
「ルーク君、君はアレだね・・・穏やかそうな風貌してるくせに、結構物騒なことしちゃう人なんだね?」
言われてルークはすべてを理解した。
あの爆音は戦争などの音ではなく、ただ単にミルフィーユとラグの発明品が失敗して爆発を起こしただけ。
よってナイフを持って飛び込んできた自分は完璧に不審者だ。
ルークは慌てて果物ナイフをベルトに差し込みながら謝った。
「ごご、ごめんなさい、てっきり強盗かなんかがやってきたのかと!」
ミルフィーユとラグの視線が蹴破られた扉に向けられる。
ルークも恐る恐る扉に視線を向けると、ちょうつがいが壊れていた。
「あぁー、すみません、つい蹴破ってしまいました」
ちょうつがいを直そうとドアに飛びついたルークに、ミルフィーユが目をしばたきながらたずねる。
「強盗がきたとき君は扉蹴破るの?」
「戦うときにドアを悠長に開けてなんていられませんからね・・・じゃなくってすみませんすみません・・・」
数分後、ちょうつがいを取り付けなおしドアが修理されたところで、ミルフィーユが提案した。
材料の買出しをかねて、いろいろなところにガラクタを貰いに行く。ついでにさまざまな職業の知り合いにルークを会わせてみるという物だった。
ただ、ルークの強盗に果物ナイフで立ち向かうスタイルに、番犬機能もついている弟子を手放すのはもったいないなとミルフィーユはあまり乗り気ではなかった。